【講道館杯】田代未来が涙の復活V 1年3カ月再起戦でオール一本勝ち「辞めなくて良かった」

[ 2022年10月29日 19:06 ]

女子63キロ級で初優勝した田代未来
Photo By 共同

 柔道の講道館杯全日本体重別選手権は29日、女子7階級が行われ、63キロ級は田代未来(28=コマツ)が初戦の2回戦から決勝までの5試合をオール一本勝ちし、昨夏の東京五輪以来、1年3カ月ぶりの復帰戦を優勝で飾った。

 渡辺聖子(23=警視庁)との決勝は互いに指導1のまま決着がつかず、延長戦に突入。最後は横四方固めで一本を奪った。「戦いの舞台に帰って来られたことがうれしい。正直、もう無理かなと思ったことがたくさんあって、辞めたいと思った時期もあって…。でも、どうしても諦めきれなくて…」と目を潤ませた。

 昨夏の東京五輪では女子代表7人で唯一、個人戦のメダルを逃した。五輪前に左足首と左肩を負傷、そして今年1月には古傷の左膝前十字靭帯を再び痛めた。「引退」の2文字が何度も頭をよぎったが、「考えても考えても答えが出せなかった」という田代にとって今大会は自分の気持ちを確認する大会でもあった。「戦っていたら、やっぱり負けたくない気持ちが強くて…辞めなくて良かったと思いました」。

 2年後のパリでは東京で果たせなかったメダル獲得が目標。ようやく、そのスタートラインに立った田代は「戦い切れたことは大きな収穫だけど、内容を見れば、まだまだ世界で戦えるレベルじゃないと痛感したので、少しずつでも力をつけていきたい」と視線を先に向けた。

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2022年10月29日のニュース