渋野 五輪代表争い残った!「すっげー心臓バクバク」ギリギリ予選通過も最低条件は単独5位以上

[ 2021年6月27日 02:30 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子プロ選手権第2日 ( 2021年6月25日    ジョージア州 アトランタ・アスレチック・クラブ=6740ヤード、パー72 )

第2Rの2番、ティーショットを放つ渋野(AP)
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 逆転で東京五輪代表入りを目指す渋野日向子(22=サントリー)が1イーグル、2バーディー、2ボギーの70と伸ばし、通算2オーバーのカットラインぎりぎりで予選を通過した。メジャーでは今季初の決勝進出。上がり2ホールで3つスコアを伸ばす粘りで、五輪への望みをつないだ。全米女子オープン覇者の笹生優花(20=ICTSI)も70で通算1アンダーの32位。63をマークしたネリー・コルダ(22=米国)が通算11アンダーで単独首位に立った。

 「まじでよかった~、泣きそうだったもん」。ホールアウトした渋野は、そう言って笑った。予選落ちなら代表入りの可能性が消滅する状況で迎えた上がり2ホールをバーディー、イーグルでカットライン上に浮上。最後の最後まで諦めず、今季初めてメジャーで予選突破を果たした。

 「もう、この3カ月の全てを2ホールで出し尽くした感じ。最後まで諦めちゃダメだなって思った。これからの人生も、この2ホールで変わると思う」

 流れを変えたのは、1オーバーで迎えた12番パー5だった。第3打を池に入れたが、「イライラする暇はない」。すぐ横のドロップエリアから同じ88ヤードの第5打を、ピン奥から傾斜で戻して直接カップインさせパーで切り抜けた。16番でボギーを叩くが諦めず、17番でバウンスバック。そして最終18番パー5だ。第1打はディボット跡の2センチ前に止まり、「ほんと神様~って」と運も味方する。残り219ヤードから第2打を3Wで「マン振り」し、一度も練習していなかった2オンに成功。下りの6メートルのイーグルパットを沈めて力強く右拳を握り、「すっげー心臓バクバクした」と笑った。

 今季のメジャー過去2戦はいずれも1打足りず予選落ち。「一打の重みを感じた」と臨んだ今大会は3カ月の米挑戦の最終戦で、五輪代表争いが決着する一戦でもある。諦めない強い気持ち、そして2年前のパットルーティンに戻す試行錯誤の成果も加わり、五輪への希望がつながった。「明日があるのが凄いうれしい。ゴルフができるって凄いうれしい」。現在の4番手から2枠の代表入りへの最低条件は単独5位以上で、そのラインは現時点で3位タイの通算7アンダー。9打差と遠い位置ではあるが、まだ36ホール残っている。

 ▽女子ゴルフの東京五輪代表選考 出場選手60人は28日付世界ランキングに基づく五輪ランキングで決まり、原則各国上位2人に出場権が付与される。世界ランキング9位の笹生はフィリピン代表で出場予定。日本勢は同11位の畑岡が当確。同25位の稲見、同28位の古江、同31位の渋野で残り1枠を争っている。稲見は古江2位以下、渋野6位以下で出場権を得る。古江は自身の優勝と渋野5位以下が条件。渋野は古江優勝なら単独4位以上、古江が2位以下なら単独5位以上で逆転代表入り。複数の選手が同じ順位なら条件が変わる場合もある。

 ▼32位・笹生優花 内容的にはまだまだ。いいゴルフだったとは言えない。ティーショットを安定させたい。グリーン上ももう少しイメージが良くなれば。(2つ伸ばすも不満顔)

 ▼71位・畑岡奈紗 一つでも決まれば流れは変えられた。1個のバーディーが遠かった。オリンピックは1年越しでプレーできるところに来ている。プレーできるなら金メダルを狙いたい。(カットラインに1打届かず)

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