ラグビー日本 歴史的80分!!聖地でライオンズと10―28 姫野が後半意地のトライ

[ 2021年6月27日 03:00 ]

ラグビー リポビタンDツアー2021   日本代表10―28全英・アイルランド代表ライオンズ ( 2021年6月26日    英エディンバラ )

<ライオンズ・日本>前半、突進する松島(中央)
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 19年10月20日のW杯日本大会準々決勝・南アフリカ戦以来、615日ぶりのテストマッチとなった日本は、全英・アイルランド代表ライオンズに10―28で敗れた。後半8分までに4連続トライを許したが、後半から入った姫野和樹(26=トヨタ自動車)が一矢報いるトライをマーク。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、51)率いる日本が、23年W杯へ本格的な再スタートを切った。

 日本のルーツ校と言われる慶大ラグビー部が創設される10年以上も前の1888年に初結成された伝統と格式、そして強さと誇りを持つライオンズという壁に、19年W杯で飛躍を遂げた日本がはね返された。前半はチャンスで仕留め切れずに無得点。一方で相手には決定力を見せつけられる形で3トライを許し、0―21で折り返し。史上初の対戦は、ほろ苦い結果に終わった。

 23年W杯フランス大会へ力強く再スタートを切るはずだった昨年は、新型コロナウイルスの影響で活動休止。今年5月下旬に1年7カ月ぶりに活動を再開し、ライオンズ対策としてセットプレーの強化に力を注いできた。それでも前半11、22分にラインアウトを起点にトライを許し、スクラムも前半だけで2度のペナルティーを取られるなど劣勢。ジョセフHCが「大きな試合はベーシックを正しく遂行することが重要」と説いていたが、思うようなプレーをさせてもらえなかった。

 ただ、劣勢でも意地は見せた。特に目立ったのが、髪を金色に染めたWTB松島だ。試合開始直後からボールを持つ度にディフェンスラインを突破。前半終了間際には、スクラムから直接パスを受けて敵陣深くにまで迫った。そして後半から入ったフランカー姫野は、同18分に力強い突破で待望のチーム初トライ。松島と姫野と、今季海外でプレーした2人をジョセフHCも「成長が加速した」と称えていたが、期待通りのプレーを披露した。

 No・8タタフ、SH斎藤ら23年W杯への期待の新戦力も、後半から入ってチームに勢いをもたらした。次戦は7月3日、19年W杯で歴史的勝利を挙げたアイルランドが相手。ドリームチームへの善戦がフロックではないことを証明してみせる。

 【4年に一度編成、全英・アイルランド代表】
 ☆歴史 ホームユニオンと呼ばれるイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの各代表から4年に一度編成されるドリームチームで、初編成は1888年。日本では明治21年に当たる。

 ☆ツアー 創生期から20世紀中盤までは2~6年ごとに編成され、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカに遠征し、国代表や地元クラブと対戦。1989年以降は4年に一度、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカへ遠征。今年は日本戦後、南アフリカで同国代表などと8試合を行う。

 ☆対戦国 3カ国の他に、かつてはアルゼンチンにも遠征。他にもカナダやフィジー、ローデシア(現在のザンビアとジンバブエ)などと対戦履歴がある。3カ国以外に敗戦したのは、1977年のフィジーが最後。

 ☆愛称 「ライオンズ」の由来は諸説あるが、1924年の南アフリカ遠征の際、選手団が着用していたネクタイに付いていたライオンのエンブレムを見た現地記者がライオンズと呼んだのが起源という説がある。

 ☆メンバー 監督はニュージーランド出身でウェールズ代表やスーパーラグビーのチーフス(ニュージーランド)を率いたウォーレン・ガットランド氏。選手は歴代世界最多キャップ保持者のA・ジョーンズ(ウェールズ)や、SOファレル(イングランド)、ロックのイトジェ(イングランド)ら多士済々。

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