【玉ノ井親方 視点】貴景勝押しにも動じず…安定感際立つ今場所の高安

[ 2021年3月23日 21:03 ]

<大相撲春場所10日目>貴景勝(左)を上手投げで破る高安(撮影・久冨木 修)
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 やはり今場所の高安はひと味違う。簡単に押されなくなったし、引かなくなった。貴景勝の押しを、左右にいなしながら落ち着いてさばいていた。対象的に大関は押し切れずに焦ってしまった。張り手で打開しようとするが、高安が動じなかったため冷静さを欠いた。膠着(こうちゃく)した場面で相手の足を蹴って、左を差しにいった。しかし、組んだら高安に分がある。我慢できずに先に動いた貴景勝の大失敗だった。見方を変えれば、それだけ高安の相撲に安定感があったということだろう。

 これで高安は後続に2差をつける展開になったが、11日目の正代戦が大きなポイントになる。動いて勝機をつかみたい正代を高安がどう組み止めるか。正代が最初に組みにいくと、高安が有利になる。(元大関・栃東)

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2021年3月23日のニュース