“学連が箱根を面白く”主将の慶大・杉浦が狙う台風の目

[ 2020年12月30日 07:00 ]

箱根のキーマン(4)

3年生主将としてチームを引っ張る慶大・杉浦慧
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 「学生連合は箱根に必要」。そんなスローガンを掲げたのが今年の関東学生連合(学連)だ。予選会通過タイムは順大、中大に次いで3位相当。箱根をかき回すだけの力があるチームをまとめる3年生主将の杉浦慧(慶大)は「目標は10位(相当)。シード権争いとか面白い位置で試合をしたい」と意気込みを語った。

 コロナ禍の現代らしく「オンラインミーティング」で主将に就任した。最初のミーティング時、杉浦主将がオンラインの微妙な空気と距離感にしびれを切らした。「シーンとなった沈黙が地獄。Zoomなのでなおさら。ミュート(消音機能)を外して主将に立候補しました」と先輩にも遠慮しない胆力も持っている。

 慶大生としては94回大会で学連の8区を走った根岸祐太以来、3大会ぶりの出場。杉浦主将自身「慶応ボーイは演じている」といい、イメージとは異なる泥くさい走りが身上だ。「ゴルフをやっていたとかそのくらいが慶大生っぽさ。偏差値とか話題になりがちだが、勝負しているのはタイム。文武両道というより実力で見てほしい」と意気込む。

 所属していた陸上クラブのコーチが箱根経験者ということもあって、小学校時代に箱根に興味を持ち始めた。「親族が早大ばかりだった」があまのじゃくな性格から“箱根プロジェクト”を発足させた慶大で箱根を目指そうと決めたという。

 過去には84回大会で青学大の原晋監督が指揮した関東学連が4位に食い込むという快挙を成し遂げたが、その再現も狙っている。オープン参加のため記録は残らないが、駅伝ファンの記憶に残るレースをする自信は十分。杉浦主将は「目立つのが好きなので1、2、10区が希望。学連が箱根を面白くしたと言われたい」と不敵な笑みを浮かべる。

 ◆杉浦 慧(すぎうら・けい)1999年(平11)7月13日生まれ、東京都出身の21歳。成蹊高―慶大法学部政治学科3年。小学校で陸上を始めた。ゴルフ、水泳、バスケットボールを経験。成蹊中時代に800メートルで全国大会に出場した。箱根駅伝予選会では1時間2分53秒で個人55位。自己ベストは5000メートルが14分32秒88、1万メートルは29分22秒26。1メートル71、55キロ。

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2020年12月30日のニュース