青学大 箱根連覇へ煙幕オーダー、補欠に実力者ズラリ 原監督仕掛けた?

[ 2020年12月30日 05:30 ]

箱根駅伝連覇に挑む青学大・原監督
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 来年1月2、3日に行われる第97回箱根駅伝の区間エントリーが29日、発表された。2連覇を狙う青学大は前回大会の優勝経験者3人とスーパールーキーを交代可能な補欠に回し、他校に揺さぶりをかける。一方で2年連続で1区にエース吉田圭太(4年)、前回大会の無念の欠場から留年して5年目の箱根に挑む竹石尚人(4年)を5区に置くなど、実績のあるメンバーは健在で、しっかりと2連覇に照準を定めている。

 例年、各大学の監督同士の腹の探り合いが行われる監督会議も今年はオンライン開催。勝手が違う区間エントリーの提出日となったが、連覇を狙う原晋監督(53)の舌はいつも通りになめらかだ。「コロナ禍でも寮を閉鎖せずにみんなで乗り切ってきた。現時点での精神的な“絆指数”は100%です!」と気勢を上げた。

 5度目の優勝を飾った前回大会を経験した選手6人のうち、この日の区間エントリーに名を連ねたのは3人。前回9区区間賞の神林勇太主将(4年)、同5区2位の飯田貴之(3年)、アンカーを務めた湯原慶吾(3年)ら実力者は温存した。同じく控えに回った全日本大学駅伝5区区間賞の佐藤一世(1年)も、高速レースとなりそうな往路で投入される可能性は十分ある。今大会から当日変更が従来の4人から6人まで拡大。戦略の幅は広がっている。原監督は「(当日変更は)戦術として一定数はやるが、6人全て使うことは考えていない」と述べるにとどめた。

 一方で、要所にはしっかりと布石を打っている。往路は1区に吉田、5区竹石、復路8区には前回同区で区間2位の岩見秀哉(4年)と実績のあるメンバーを配置。駅伝の流れを読む力にたけている知将は「(2位に3分差をつけた)前回のような優勝はない。間違いなく復路までもつれる。ブレーキしなければ総合力、組織力で勝てる」と分析している。

 箱根駅伝のテーマに掲げた“絆大作戦”はチームの団結を促すだけが狙いではない。今大会は沿道での観戦自粛が求められているが、テレビの前の駅伝ファン同士も、選手が走る姿を見ることで絆を深めてもらいたいという意味も込めている。原監督は「往路優勝で絆指数は150%に上昇。総合優勝でゴールすることで200%です!」と大団円まで読み切っている。

 ▽エントリー変更  レース当日の開始1時間10分前(午前6時50分)までメンバー変更が可能。変更は区間登録選手と補欠選手に限られ、区間登録された選手が他の区間に変更することはできない。直前の体調を見極めるなど安全な大会運営のために、今大会から当日変更できる人数を4人から6人に拡大。1日に変更できる選手は最大4人まで。

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