仙台大明成 3年ぶりV!八村2世・山崎が劇的決勝点、塁先輩は歓喜ツイート

[ 2020年12月30日 05:30 ]

バスケットボール全国高校選手権最終日 ( 2020年12月29日    東京体育館 )

<仙台大明成・東山>ドリブルする仙台大明成・山崎(提供:日本バスケットボール協会)
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 男子決勝が行われ、仙台大明成(宮城)が東山(京都)を72―70で破り、3年ぶり6度目の優勝を果たした。最大で17点差をつけられながら、第4クオーター(Q)に激しい守備からの速攻で追い上げ、70―70の残り5・4秒からギニア人の父を持つ山崎一渉(いぶ、2年)が決勝のジャンプシュートを決め、劇的な逆転優勝を飾った。同校OBでNBAウィザーズの八村塁(22)も自身のツイッターで喜びを表現した。

 70―70で迎えた第4Q残り5・4秒。勝負を決めるラストショットを放ったのは、伸び盛りの2年生エースだった。リバウンドに飛びついた山崎は、そのまま振り向きざまにジャンプシュート。「3年生とできる最後の試合。決めるしかない」と思いを乗せた一投は、スルリとリングに吸い込まれた。試合終了を告げるブザーが鳴ると、チームメートと抱き合い喜びを爆発させた。

 前半を26―40の劣勢で折り返し。第3Qを終えてなお、13点のビハインドがあったが第4Q残り3分で同点に追いついた。昨年の8強を上回り、死闘の末に手にした優勝に「最後はチームが勝てて、日本一になることができて本当に良かった」と目を潤ませた。

 同校OBでNBAウィザーズの八村が高校時代に着用した背番号「8」を継承。13~15年の同大会3連覇など活躍する八村を小学生時代に見て憧れを抱き、全国50校を超える勧誘を断って千葉から仙台での生活を選択した。1年時から“八村2世”の呼び声が高かったが、2年生になりエースの自覚が芽生えつつある。指導する佐藤久夫監督(71)も「絶対に入れなきゃいけないシュートを決められるようになった」と成長を実感していた。

 八村は自身のツイッターを更新し「僕らが3連覇した時よりも価値がある優勝」など、7連続でコメントを投稿し母校の勝利を喜んだ。憧れのヒーローからの祝福に山崎は「素直にうれしいけど、まだ塁さんのように中心的な選手になれていない。もっと明成を強くしてプレーでも精神面でも引っ張れるような選手になりたい」と気を引き締める。決意と覚悟を胸に、さらなる進化を遂げる。

 ≪東山、初優勝届かず…監督「頭真っ白」≫京都・東山は試合終了のブザーが鳴り響くと選手たちは泣き崩れた。最終Qで13点のリードを守れず、初優勝に届かなかった。大沢監督は「頭が真っ白。成長しながら決勝戦まで来られたけど、日本一を前にしてプレッシャーにやられた」とショックを隠せなかった。大会屈指のガード米須は15得点、10リバウンド、10アシストのトリプルダブルの活躍。だが次第に相手守備に苦しみ「圧力が凄くて、受け身になってしまった」と唇をかんだ。

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