内野艶和 踏む夢へのペダル「競輪選手になって、五輪目指したい」

[ 2019年9月12日 12:58 ]

久留米競輪場で練習する内野艶和
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 福岡県久留米市の祐誠高校自転車部の内野艶和(3年)が、8月にドイツで行われた「2019ジュニア世界選手権トラック」の女子ポイントレースで初優勝した。女子ジュニア世界一は日本人初の快挙だった。世界の舞台で金メダルを獲得した内野は競輪選手になる夢を目指し、練習に励んでいる。

 自転車競技の世界王者だけに贈られる優勝ジャージー「アルカンシェル」。世界ジュニア選手権初挑戦で優勝し、憧れのジャージーを手にした内野は「よっしゃーとは思ったんですけど、自転車から降りても本当に世界一になったの?という感じだった。(ジャージーを)着ているのが信じられない」と興奮気味に振り返った。

 金メダルを獲得した競技は「ポイントレース」。1周250メートルのバンクを80周計20キロ走り、10周に1回が「ポイント周回」となっており、1位5点、2位3点…とポイントを稼いでいく。最終週は点数が倍で「逆転もありえる。(ポイント周回は)もがきあいになる」という駆け引きが見どころだ。また、メイン集団から飛び出して周回遅れにする「ラップ」ができると20点が加算される。「何人かでできたので大きかった」と優勝の要因になった。

 直前にはスイスで約1カ月間のトレーニングキャンプを実施。普段の練習は久留米競輪場のバンクだが、本番と同じ屋根付きのベロドロームだった。「イメージがつけられた。いろんな国の選手と練習できて、身体の大きい外国人に慣れたのも大きかった」と力に変えた。

 競技歴は意外にも浅い。さまざまなスポーツの適性を見極める福岡県の「タレント発掘事業」で才能を見いだされ、中学2年の5月の連休中に静岡県で自転車合宿に参加。5日間、自転車に初めて触れて「スピード感が凄くて。自分の脚で出せるのが楽しかった」と心を奪われた。祐誠高に入学して一年間は「持久力が無いと話にならない」と福岡県粕屋郡の自宅から学校までの約40キロを自転車で通学。「晴れの日は毎日した。基礎的な体力をつけられて上達も早くなった」と振り返る。

 今後は競輪学校の入学試験を受ける予定でいる。「競輪選手になって、自転車競技ではオリンピックを目指したい」とトレードマークの笑顔で話した。17歳は夢へ向かって疾走を続ける。

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