【玉ノ井親方 視点】“自分の相撲”が取れている朝乃山、初金星呼んだスピード&圧力

[ 2019年9月12日 19:39 ]

大相撲秋場所5日目 ( 2019年9月12日    両国国技館 )

<大相撲秋場所5日目>鶴竜(右)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・久冨木 修)
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 朝乃山は前に出る圧力、スピードが横綱を上回った。何より攻めが速かったのが良かった。

 鶴竜は右を差すのが速かったが、上手を取れない。逆に朝乃山は右を差して上手を取りながら寄って出た。横綱は下手投げを打って体勢を立て直そうとするが、朝乃山が体を密着させて自分の右下手方向に寄ってきたため投げが効かなかった。下手と上手では上手の方が強い。それだけ朝乃山の寄り方が良かったということ。鶴竜の投げが捨て身の投げになるのも当然だった。

 今場所の朝乃山は、負けた相撲でも自分の相撲を取り切ろうとしているところがいい。立ち合いできちんと当たって右を差し、左上手を取って前に出る。その形に徹している。2敗はしているが、全勝の貴景勝もこの日は足がそろって、押し込まれた時の不安を感じさせた。大関陣も元気だし、今場所は面白い展開になりそうな予感がする。 (元大関・栃東)

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