白鵬 初日に初金星配給 日本国籍取得後初の本場所は痛恨の船出

[ 2019年9月9日 05:30 ]

大相撲秋場所初日 ( 2019年9月8日    両国国技館 )

北勝富士(左)に寄り切られ黒星発進の白鵬(撮影・郡司 修)
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 新たな門出を勝利で飾れなかった。日本国籍取得後初めての本場所に臨んだ横綱・白鵬は平幕の北勝富士に寄り切られ、黒星スタート。弟弟子2人と宮城野部屋勢だけで初めて横綱土俵入りした喜びも取組後には吹き飛んだ。カド番の大関は豪栄道が碧山を押し出し、栃ノ心が逸ノ城の上手投げに屈して明暗が分かれた。

 口数の少なさが落胆の大きさを物語る。通算22個目で、初日に限れば初めての金星を配給。引き揚げた支度部屋で白鵬は「見ての通り」と絞り出し、その後は口を閉ざした。立ち合いは左で張るも狙いの右を差せず、逆に右差しを許した。左で小手に振ると呼び込んでしまい、そのまま土俵を割った。

 絶対に負けたくない理由があった。日本国籍取得後初めて臨む本場所。しかも露払いに石浦、太刀持ちに炎鵬と弟弟子2人を従えての横綱土俵入りがこの日初めて実現した。朝稽古後には「相撲人生の中で一つの夢がかなう。そういう一日。(2人とも)よくここまで来られたし、自分が地位を守れないとできなかった」と熱く語っていた。07年名古屋場所から横綱在位は72場所、12年を超えた。その過程で自らスカウトして宮城野部屋へ入れた炎鵬と石浦が着実に力を蓄え、今場所は幕内にそろった。同じ状況だった今年夏場所は自身の休場により、その機会を逃しただけに「(石浦が1メートル75、炎鵬が1メートル68とともに小兵で)余計に自分が目立っちゃう」と軽口が飛び出すほど上機嫌だった。取組後はそんな喜びも消えうせた。

 今月1日の稽古で右手小指を腫らし、関取衆と相撲を取る稽古を十分に積めなかった。筋力トレーニングなどで体をつくったものの「場所まで、あと何日か欲しかった気持ちもある」。その不安が現実になった。ただ、八角理事長(元横綱・北勝海)は「これで気合が入るんじゃないか」と逆襲を予想。白鵬は第一人者と呼ばれる理由を土俵で示せるか。

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