カド番の貴景勝が名古屋場所休場、大関2場所で陥落へ 右膝の回復遅れ…「しっかり治して」

[ 2019年7月4日 18:58 ]

千賀ノ浦部屋宿舎を出る貴景勝
Photo By 共同

 右膝に不安を抱える大関・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)がカド番で迎える名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)を休場することが4日、決定した。この日夕方、師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)に伝えた後に「休場します」と明言した。

 貴景勝は新大関だった5月の夏場所で、4日目の御嶽海戦で勝った際に右膝のじん帯を損傷して途中休場。再出場したものの再び休場し、3勝4敗8休と負け越していた。名古屋場所は全休となるため、2場所連続負け越しで大関から陥落となる。

 貴景勝はこの日、名古屋市北区の千賀ノ浦部屋での朝稽古に姿を現し、四股、てっぽうなどの基礎運動で終えた。その後、師匠の千賀ノ浦親方と出場の可否について会談。だが、休場を勧める師匠と出場の意思を固めている貴景勝とで平行線をたどり、食事を挟んで4時間にも及んだ話し合いでは結論は出なかった。貴景勝は名古屋場所前夜祭の収録に参加し、収録を終えた後に再び部屋に戻って休場を決断した。

 貴景勝は「自分の中では出るつもりで名古屋に来てやっていた。師匠と相談して、何年後かを見据えて、もう少し万全に治すのが正しいと言われた。師匠の判断は絶対。納得して選択した」と苦渋の決断になった経緯を説明した。

 わずか2場所で看板力士の座を手放すことになったが、まだ22歳と若い。貴景勝は「ケガと付き合いながらやるという選択肢もあるが、最後の番付を目指したいので、しっかり治してからやるという選択をした」と横綱を目指すための決断であることも明かした。「陥落してしまうのは残念なことだが、5年後、10年後、この経験があったから自分があると言えるようになりたい。さらに強くなって帰ってこないとダメ。強くなるために地道にやっていくしかない」と前を向いた。

 師匠の千賀ノ浦親方は、貴景勝が名古屋入り後に満足に相撲を取れなかったことを受けて、休場することを勧めていた。「次の場所に向かって全身全霊で取り組めば、それだけの成績を残せる。それだけの実力はある。今より強い貴景勝で戻ってくる」と期待した。貴景勝は秋場所で関脇となるが、10勝を挙げれば特例で大関復帰となる。

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