新国立競技場9割が完成!ここが変わったよ「杜のスタジアム」

[ 2019年7月4日 08:30 ]

報道陣に公開された新国立競技場の建設現場(撮影・吉田 剛)
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 日本スポーツ振興センター(JSC)は3日、20年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の建設工事現場を報道陣向けに公開した。36カ月の施工期間は残り5カ月となり、11月末の竣工へ向け9割が完成。木と風と技術が調和した「杜のスタジアム」の全容をスポニチ本紙の五輪担当記者、鳥原有華(27)が紹介する。

 【屋根】「大き~い!!」。バイクヘルメット(すみません、防災用を買い忘れました)が後ろに落ちそうなほど見上げてしまった。5月に完成した“最難関”の屋根がスタジアム全体を想像の何倍も大きく感じさせる。約60メートルせり出したトラスは鉄骨と国産木材のハイブリッド型。最前列の客席から約10メートル張り出して大きな日陰をつくり出し、担当者いわく「体感温度が10度下がる」。この日は曇りだったが、芝生の日照のためのガラス部分は「木漏れ日」の表現通り適度な光を届けてくれそう。圧迫感はゼロ。むしろ通り抜ける風が開放的だ。

 【庇(ひさし)】日本らしさを感じる外周360度の木の軒庇もほぼ完成。旧国立のコンクリート外観から一転、元陸上部の記者からすれば、ちょっと寂しさを感じてしまうほど姿を変えた。最上部の「風の大庇」を含めて4層構造で、縦格子の一本一本は47都道府県から調達された国産杉を中心に作られている。軒庇の合間にのぞくコンコース外側にはまだ一部分ながら樹木も見え、3階東側テラスの「風の庭」には香川県の庵治石(あじいし)を敷き詰めるこだわりぶり。競技場であることを忘れてしまいそう?

 【観客席】客席は6万席のうち4万5000席が設置され、7割強の完成度。オレンジや青の原色だった座席は白、黄緑、グレー、深緑、濃茶の5色の「アースカラー」に大変身した。木材の屋根から降り注ぐ日の光をイメージし、フィールドが近付くにつれ濃い色になるグラデーション仕様に。ランダムに並べて空席を目立ちにくくするのは、選手の士気が下がらないようにするナイスな演出だ。一見モザイク柄に見えるところも、日本の落ち着きと五輪のにぎやかさが共存しているかのようだ。

 【設備】まるで避暑地!?暑熱対策にも余念がない。内部に足を踏み入れると風が吹き抜け、外の蒸し暑さがウソのような自然な涼しさ。客席の背後には筒状の気流創出ファンが1周185台設置され、緩やかな風を届ける。ゲート付近の8カ所に設置予定のミスト冷却設備も順次取り付けられており、気化熱で体感温度を下げる役目を果たす。南北にはフルハイビジョンの大型映像装置が設けられた。席が遠くてもご安心を。超高画質で選手の表情やプレーを見ることができそうだ。

 【今後】完成が待ち遠しい。今後は今月中に芝生を敷き、9月までに陸上のトラックと外側のフィールド部分を舗装する。担当者によると作業員約2400人の健康管理は看護師を常駐させるなど対策が練られ、台風などの自然災害の予防措置も徹底されているという。新国立で初めて行われる大会は来年元日のサッカー天皇杯決勝。サッカー、ラグビー、陸上、多くのスポーツの聖地は完成後も「国立競技場」のまま引き継がれる。その存在は今も昔もこれからも、変わらないものであってほしい。

 ≪12月21日こけら落とし 6万人イベント≫JSCは12月21日に「国立競技場オープニングイベント ~HELLO, OUR STADIUM~」と題したこけら落としイベントを実施すると発表した。同月中旬に行う竣工(しゅんこう)式とは別で、一般向けとしては初のイベントになる。当日は日本を代表するアスリートやアーティストも出演。8月下旬から約6万人分のチケットが抽選販売される予定だ。スポーツでは来年元日のサッカーの天皇杯全日本選手権決勝が初めての大会となる。

 ◆鳥原 有華(とりはら・ゆか)14年スポニチ入社。紙面レイアウトを2年間担当し、16年から静岡支局で記者をスタート。今年4月から五輪担当になる。青学大卒業まで10年間、陸上競技に打ち込んだ元ハードラー。

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