【岡崎真の目】羽生の「完璧」の先にある「究極」ジャンプ見たい

[ 2018年11月4日 08:30 ]

フィギュアスケート GPシリーズ第3戦フィンランド大会第2日 ( 2018年11月3日    ヘルシンキ )

<フィギュアGPシリーズ・ヘルシンキ大会>男子SPの演技をする羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 冒頭の4回転サルコーは素晴らしかったが、私には一瞬上がり損ねたように見えた。それでも難なく普通に降りて、これだけプラスのGOE(出来栄え評価)を稼いだのだから、さすがとしか言いようがない。実は直前の6分間練習ではもっと素晴らしい、文字通り100点満点のサルコーを跳んでいた。つまり、完璧に見えた今回のジャンプよりさらに完成度の高い究極のジャンプがまだあるわけで、それが本番でもできれば得点はさらに伸びる。

 次のトリプルアクセルも体の軸が少し内側に傾いてヒヤッとした。これも真っすぐの軸で彼本来の高さと流れのあるアクセルが跳べれば、まだ伸びしろはある。連続ジャンプはセカンドジャンプで少し軸が外に外れてしまい、降りた後にオーバーターンしてしまった。当然減点の対象になるところだが、プラス要素の方が多いのでトータルではしっかりとプラスのGOEを稼いだ。クリーンな着氷をしていればこちらももっと点数が出ていたに違いない。

 ジャンプの完成度が高い羽生にとって、新ルールは追い風だ。自分自身が本当に100点満点と感じる演技ができた時にいったいどんな点数が出るのか、空恐ろしくなってきた。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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