羽生 新ルール世界最高!SP首位「100点超えられてホッ」

[ 2018年11月4日 05:30 ]

フィギュアスケート GPシリーズ第3戦フィンランド大会第2日 ( 2018年11月3日    ヘルシンキ )

<フィギュアGPシリーズ・ヘルシンキ大会>男子SPで首位に立った羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)で、今季GP初戦の羽生結弦(23=ANA)はルール改正後の世界最高となる106・69点で首位発進した。3つのジャンプ全てを成功させるほぼ完璧な内容で、2位に13点以上の大差をつけた。

 3つのジャンプを鮮やかに決めた羽生は後半に入ると、情感のこもったスピン、ステップで観客を魅了した。「スピンで気持ちを込められたし、ステップも会場の雰囲気に後押しされて、楽しく、気持ちよくできた」。ステップだけは最高評価のレベル4には届かなかったが、ほぼ完璧な内容で今季世界最高の106・69点。「100点を超えられたのが大きい。ホッとしました」と安どした。

 2月の平昌五輪以来の実戦だった9月のオータム・クラシックでは優勝したものの、ミスが相次いだ。五輪2連覇を成し遂げて迎えた今季は「楽しむ」がテーマだったが、不本意な内容に終わった悔しさから闘志に火が付いた。「勝たないと意味がない」。勝つためのプログラム構成に修正して今大会を迎えた。

 SPは憧れの元全米王者ジョニー・ウィアー氏の代表的なプログラム「秋によせて」。当初は2分40秒のSPの前半に3つのジャンプ全てを終え、曲調が変わる後半にスピンやステップで盛り上げるプランだった。「自分が表現したいことは譲れない」が、それだけではより高い得点は望めない。考えた末に、3つ目の4回転―3回転の連続トーループは曲をアレンジして10秒ちょっと後ろにずらした。初戦では1分10秒頃だったが、基礎点が1・1倍になる後半に入ってすぐの1分20秒すぎに跳んだ。基礎点15・07点に1・36点の加点がついて16・43点も稼ぎだした。ほんの数秒にこだわって、表現と勝負を両立させた。「つなぎやジャンプの出来など満足できないところは結構ある。新たに身が引き締まった」

 フリーも後半に連続ジャンプ3つを組み込む新構成で挑む。王者の探究心が尽きることはない。

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