葛西　最年長Ｖはぶっつけ本番だった「半ベソこいた」涙の美酒

Ｗ杯史上最年長の優勝を決めた葛西紀明

ノルディックスキーＷ杯ジャンプ個人第１３戦

（1月11日 オーストリア・バートミッテルンドルフ＝ＨＳ２００メートル、Ｋ点１８５メートル）
　４１歳７カ月のＷ杯最年長優勝を成し遂げた葛西紀明（土屋ホーム）が１２日、自身のブログを更新。「ぶっつけ本番」だったことを明らかにした。

　年明けからの風邪が治らず「実は昨日の公式練習＆予選飛んでなくて、今日ぶっつけ本番だったんだ～。治りかけた時に気管支炎に。昨日の出発前に微熱も出たので、公式練習＆予選はキャンセルしました」

　いきなりのジャンプは「ちょっと怖かった」というが、１回目に１９６メートルを飛んでトップに立つと、２回目も１９７メートルで合計３９１・６点。「じっと我慢してた甲斐がありました」という２００４年２月のパークシティ大会（米国）以来１０シーズンぶりの優勝を飾り、岡部孝信が持っていた３８歳４カ月の最年長記録を更新した。さらに、船木和喜と並んでいた日本人のジャンプＷ杯通算勝利数も１６勝で単独最多となった。

　「２本目最後に飛ぶというのは、めちゃくちゃプレッシャーかかった。緊張し過ぎて、ゲボ出そうになった。このプレッシャーに打ち克って、１９７メートル飛んでの勝利は本当に最高ー！」と喜びを爆発。「うれし過ぎて涙がちょちょ切れそうになったぜ～。っていうか、中西トレーナーに抱きついた時に半ベソこいたけど」と涙の美酒に酔いしれた。

　◆葛西　紀明（かさい・のりあき）１９７２年（昭４７）６月６日、北海道下川町生まれの４１歳。９４年リレハンメル冬季五輪団体銀メダル。世界選手権は通算６個のメダルを獲得。ソチ五輪で７大会連続となる代表入りを果たした。北海道・東海大四高出、土屋ホーム。１メートル７７、６２キロ。