フェルプス世界新4冠!因縁カビッチに勝つ

[ 2009年8月3日 06:00 ]

男子100メートルバタフライ決勝 49秒82の世界新で優勝、ガッツポーズするマイケル・フェルプス

 水泳世界選手権男子100メートルバタフライ決勝で、北京五輪8冠のマイケル・フェルプス(24=米国)が49秒82の世界新をマークし、今大会4個目の金メダルを獲得した。北京五輪で辛勝した宿敵ミロラド・カビッチ(25=セルビア)とのマッチレースを制し、初の50秒台突破を果たした

 ローマの空に王者の雄叫びが響いた。「こんなに気持ちが燃え上がったことは今までない」。電光掲示板で世界新での優勝を確認したフェルプスは、契約しているスピード社の胸元のロゴを突き出した。前半を得意とするカビッチに50メートルでは体半分の差をつけられた。しかし、残り5メートルで並び、最後に逆転。史上初めて50秒の壁を突破する49秒82の世界新で、カビッチに0秒13差をつけた。

 因縁の相手だった。北京五輪では100分の1秒差で勝利。だが、カビッチ陣営は「機械の誤作動だ」と主張し、敗北を認めなかった。準決勝ではアリーナ社の高速水着を着用したカビッチが、フェルプスの世界記録を更新する50秒01をマーク。契約上、昨年発売のスピード社のレーザー・レーサーしか着用できないフェルプスに、最新の水着を買うよう挑発した。

 だが、フェルプスはレース後、胸を張った。「何を着ていたかが問題ではない。どれだけ練習したかだ」。今大会は200メートル自由形でビーデルマン(ドイツ)に完敗し、衰えを心配する声も上がった。だが、この4個目の金メダルで、王者が健在ぶりを示した。

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2009年8月3日のニュース