遼くん絶叫バーディー!泣けた!初の完全V

[ 2009年8月3日 06:00 ]

18番ホール、バーディーパットを決め優勝を果たした石川遼は、雄叫びをあげながら派手なガッツポーズを見せる

 石川遼(17=パナソニック)が自身ツアー初の完全優勝を達成した。男子ゴルフツアーのサン・クロレラ・クラシック最終日は2日、北海道小樽市の小樽カントリー倶楽部(7535ヤード、パー72)で行われ、後半はブレンダン・ジョーンズ(34=オーストラリア)との一騎打ちとなったが、最終18番のバーディーで決着。通算17アンダーで今季2勝目、通算4勝目を挙げた。優勝賞金3000万円を獲得して今季獲得賞金を約6176万円とし、賞金ランクは2位(国内大会のみでは1位)に浮上。絶好調のまま13日開幕の全米プロ選手権(米ミネソタ州、ヘーゼルティン・ナショナルGC)へ挑戦する。

【最終R成績】

 決めれば優勝の最終18番、下り2・5メートルのバーディーパット。「ショートして、プレーオフになってもいい」。カップ1個分左へ向け、石川が優しくタッチしたボールはスライスラインをゆっくりと転がり、最後はカップ右側から吸い込まれた。「ボールがどうしようか悩んでいるような転がり方だった。最後の最後に、いや、初日から小樽の女神様がほほ笑んでくれた」。体を1回転させ、右拳をド派手に北の空へと突き上げた。
 笑顔はすぐに泣き顔へと変わった。最後まで競り合ったジョーンズに称えられ、一気に感情がこみ上げた。「今までに経験したことがない優勝争いの展開だった。BJ(ブレンダン・ジョーンズ)がいたから、ここまでいいプレーができた。勝者は僕かもしれないけど99%同点(互角)です」。昨年は予選落ちゼロと抜群の安定感を誇るベテランとの一騎打ちに耐え、17歳は解放されたように涙をこぼした。

 単独首位で迎えた最終日。スタート時は「スコアを伸ばさなくても勝てるかも」と考えた。だがボギーが先行し、6番のスコアボードで2組先の片山に並ばれていることを知ると「今まで通りやろう」と攻めの姿を取り戻した。8番からの3連続バーディーを含む、6番からの9ホールで6バーディー。15番のボギーでジョーンズに並ばれたが、18番で残り195ヤードのバンカーからの第2打でも「5Iだといいショットでもピン手前10メートル。それでいいのか?」と考え、4Iを選択して2・5メートルにピタリ。ウイニングパットへとつなげた。

 驚異の17歳は、経験したことをすべて肥やしにする。予選落ちしたものの、初日アンダーパーで回った全英オープン。同組となったウッズのプレーやしぐさを間近で観察し、今大会でも“ウッズ流”の超低弾道ショットを試した。「全英で自分のプレーをしてはね返されて、また練習した。練習の成果は後半戦で出てくると思った」。旺盛な好奇心とずばぬけた吸収力で、混戦模様の今季国内ツアーで唯一の2勝目を挙げた。

 これで賞金ランクは2位に浮上。国内獲得賞金ではトップに立ち、最高の状態で3度目のメジャー・全米プロ選手権に臨む。「賞金ランク1位になって見る目が変わるかもしれないけれど、僕の姿勢は変わらない。ドライバーをどれだけ振れるか」。全英で一皮むけた17歳は、もう1度メジャーに自分のすべてをぶつける。

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2009年8月3日のニュース