気負った古賀、得意種目で落とし穴に

[ 2009年8月3日 07:45 ]

 男子50メートル背泳ぎは自他共に認める得意種目。レース前に古橋氏の悲報を知らされ「古橋先生を送り出すために世界記録を出したかった」との思いもあった。優勝と世界新を狙う気負いが微妙に古賀を狂わせ、持ち味とするスタートの威力をそいだ。2位に敗れ、世界新で勝ったタンコックに拍手を送るしかなかった。

 スタートで鋭く反応した。バサロキックの感触も悪くなかった。だが、前半の25メートルで隣のタンコックをリードできなかった。日本代表の鈴木コーチは「スムーズに浮き上がって泳ぎにつなげることができなかった」と指摘。普段より水中から急に上がったことで勢いが減じ、後半の追い上げに響いた。
 培った技術や体力を凝縮してぶつける約24秒間。古賀は「一瞬で終わること」を50メートルの魅力に挙げていたが、小さな狂いが命取りになることを痛感した。
 金、銀と計2個のメダルを獲得し、平井ヘッドコーチが出現を期待する「複数のエース」のひとりに成長したことは間違いない。それでも、古賀は自分の成績に満足できない様子だった。「やらないといけないことがたくさん見えた。来年以降の楽しみが増えた」と飛躍を期した。(共同)

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2009年8月3日のニュース