シュートは素晴らしかったが大胆な動き影を潜めていた…

＜日本・カンボジア＞後半、シュートを外し悔しがる宇佐美
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Ｗ杯アジア２次予選Ｅ組 日本３―０カンボジア
（9月3日 埼玉）
　本田のゴールは素晴らしかった。相手が守備を固めていた後方から左足でシュートしたが、ボールの芯を捉えたぶれ球で決めた。本田らしいシュート。引いて守備を固める相手にミドルシュートが有効なのはいわばセオリーだが、この１本で試合の流れが変わり、落ち着いた。

　ただ、本田の出来は本来のものではなかった。コンディションもあるのだろうが、右サイドに張り付いて動きも狭く、相手に対する怖さもなかった。実力的には攻撃の軸になる選手だが、ハリルホジッチ監督に代わって多くの選手を呼んで試しているため、誰もポジションが確約されていない。本田も真面目な性格なので、生き残ろうとするあまり、監督の指示を忠実に守り、大胆な動きが影を潜めてしまった。

　チームとしても、選手同士のコミュニケーションも悪く、みんなが個人でアピールするだけで一体感もなかった。本田は苦しい試合で他の選手を落ち着かせ、ペースをつくる役もできる。次戦へ向けて、サバイバルの意識を捨てて、「俺が仕切る」といういつもの本田になることが必要だ。（城彰二＝元日本代表ＦＷ）