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【コラム】城彰二

シュート前の駆け引きで勝負決まった

[ 2012年7月28日 06:00 ]

<日本・スペイン>ゴールを決め雄叫びをあげる大津
Photo By スポニチ

ロンドン五輪男子1次リーグD組 日本1―0スペイン
(7月26日 グラスゴー)
 ゴールはシュートの前の駆け引きで勝負が決まった。CKに対して日本はニアサイドに3人が突っ込んだ。スペインは5人がニアに引きつけられて、その裏のスペースを大津が生かした。瞬時にマーカーとの位置関係や動きだすタイミングを見極めて相手の前に入り込んだプレーはドイツで学んだ術だと思う。大きな大会になるほどセットプレーの重要性は増す。扇原のボールの質も高く素晴らしい得点だった。

 関塚監督は前線から積極的にボールを奪いにいくのではなく、自陣に引いて守備を固める戦術を敷いた。スピードのある永井を1トップに置いて相手の裏のスペースを狙い、ワンチャンスをものにする作戦だったはず。スペインは永井のスピードを警戒してDFラインを高く保つことができす、本来のポゼッションサッカーができなかった。関塚監督の戦術が完全にはまったと思う。

 スペインのコンディションはひどかったが、日本は奇跡ではなく実力で勝ったといっていい。相手に退場者が出たのは幸運だったが、短期決戦ではツキを味方につけることも大切だ。(元日本代表FW)

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