×

【コラム】城彰二

「世界最高の選手」メッシに歴史が継承されたW杯

[ 2022年12月21日 00:00 ]

FIFAワールドカップカタール大会決勝   アルゼンチン3―3(PK4-2)フランス ( 2022年12月18日    ルサイル競技場 )

W杯優勝を成し遂げトロフィーにキスするメッシ(AP)
Photo By AP

 メッシは技術、得点能力はずばぬけているし、10年以上、世界のトップクラスの選手として活躍し続けている。ようやくW杯で優勝。「世界最高の選手」と言われ、マラドーナと比べられていたが、ついに実績でも並び、マラドーナからメッシに歴史が継承されてドラマができた。

 両チームのベンチワークも素晴らしかった。アルゼンチンは守備的に入らず、序盤から積極的に攻めてきた。通常は右サイドのMFディマリアを左サイドで起用し、これが当たった。フランスにつかまえられず、うまくボールをキープして起点をつくった。先制のPKに続き、2点目のゴールはメッシがチャンスをつくり、左サイドのディマリアが決めた。GKがコースに入っていたのをワンテンポ遅らせてGKの逆をついたが、GKの間合いなので体に当たることが多い。ボールを浮かせて、経験と冷静さが生んだものだ。

 フランスも選手とシステムを変更して流れを変えて、2度追いついた。エムバペの個の力は次元が違う。2点目は体を倒しながらのボレーだったが、スピードだけでなく、技術も対応力も凄い。

 南米勢としては20年ぶりの優勝。欧州サッカーが発展して、南米が少し下に見られていたが、力があるところを示した。そして半自動オフサイドのテクノロジーなどもサッカーを変えた。決勝もそうだったが、5人交代(延長戦なら6人)できることでガラリと局面が変わり、サッカーを面白くした。(城彰二=元日本代表FW・スポニチ本紙評論家)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る