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【コラム】城彰二

清武、遠藤がボール絡めば◎

[ 2011年9月8日 06:00 ]

<ウズベキスタン1-1日本>ドリブル突破を図る清武(右)とフォローする香川
Photo By スポニチ

 【W杯アジア3次予選C組 日本1―1ウズベキスタン】前半は攻撃が全く機能しなかった。その理由は大きく分けて3つ。まず1つ目はチーム全体のコンディションの悪さ。湿度こそ低いが気温は30度以上。運動量がいつもの半分くらいの印象で、その影響で前線の李、岡崎、香川と中盤以降の距離が大きく開いてしまい、攻撃の組み立てがサイドにロングボールを蹴るような単調な形が多くなった。

 2つ目はピッチの状態。私も現役時代にこのスタジアムでプレーしたことがあるが、芝が長くて地面はデコボコしている。きょうの試合を見ていてもボールは走らないので、日本らしいパスで中盤を組み立てる形がつくれなかった。また、1つ目に指摘したコンディションの悪さにも関連するが、芝が長いと足腰への負担が大きくなり、体が思うように動かなくなる。

 そして3つ目は前半にトップ下に入った長谷部がうまく機能しなかったこと。本田のようにボールを受けてタメをつくることができず、パスをさばく仕事ができなかった。中央に時間がつくれる選手がいないのでサイド攻撃が生きなかった。

 後半は清武が入って前線に起点をつくれるようになったのが大きかった。また、長谷部と遠藤のダブルボランチになったが、遠藤が少し前のポジションを取ってつなぎ役となった。清武、遠藤がボールに絡むことでパスが前半よりも回るようになったことが、サイド攻撃からの岡崎のゴールにつながった。

 ボールを受けてタメをつくることができる本田が不在となった影響は大きいが、トップ下に香川、サイドに清武を入れて運動量、流動性を生かした後半の戦い方が今後のヒントになるのではないか。アジアの戦いは思っている以上に厳しい。アウェーで負けなかったことは評価していいのではないか。(元日本代表FW)

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