×

【コラム】城彰二

ブラジル戦、攻撃に課題 出し手にもパスコースをつくる工夫を

[ 2022年6月8日 08:00 ]

<日本・ブラジル>前半、ボールを追う(左から)長友、吉田、中山、ネイマール(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 ブラジル相手によく守ったが、攻撃に関しては課題が残った。世界トップレベルとの戦いでは、個の力で局面を打開することは簡単ではない。組織で崩す部分に関して、もう少し精度を高めなければいけないと感じた。

 右サイドの伊東は何回かゴールライン際まで上がりクロスを入れた。右サイドバックの長友も積極的に攻撃参加した。しかし相手の堅い中央の守りを崩すことはできなかった。

 サイドを生かすには、中央でパスを受けてタメをつくる必要がある。今回はその役割を担ってきた大迫勇が不在。先発の古橋はほとんどパスを受けられなかったし、後半出場した鎌田も中盤に下がることが多かった。相手のDFとボランチの間でパスを受ける選手がいれば、もう少し効果的な攻めができたと思う。

 パスの出し手にも工夫が必要だった。ブラジルの選手はポジショニングがうまいため、パスカットされてカウンターを食らうことを恐れて、なかなか縦パスを出すことができなかった。ブラジルの選手は、トラップ後に少し横にボールをずらし、パスコースをつくってから縦パスを出している。そういう細かなテクニックも見習うべきだと感じた。

 久保、三笘らドリブルで突破できる選手の起用法も考える余地があるし、セットプレーの得点力アップも急務だ。ブラジルが本気で戦ってくれた分、経験値は大きい。今後のチームづくり、個々の強化に生かしてほしい。(城彰二=元日本代表FW)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る