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【コラム】城彰二

司令塔マタがキーマン

[ 2012年7月26日 06:00 ]

 初戦のスペイン戦の鍵は、関塚監督が選択する戦術にあると思う。あくまで自分たちのサッカーを貫くのか、それとも割り切って守備的に戦うのか。選手としては真っ向勝負で自分たちの実力を試したい気持ちは強いだろうが、前者を選択した場合はスキルの差が大きいのでうまくいかない可能性が高い。よって、勝つためには96年アトランタ五輪でブラジルを1―0で破った「マイアミの奇跡」と同じような戦い方が必要になるだろう。

 ブラジル戦は私もFWで先発した。内容では圧倒されたが、自分もハーフラインより下がってチームとして引いて守る戦術を徹底した。今回も守備から入り、プレスをかけてボールを奪ってショートカウンターなどから少ないチャンスをモノにするしかない。そしてもうひとつ大切なのは分析で相手の弱点を見つけ、そこを突けるか。ブラジル戦はオーバーエージのDFアウダイールとGKジダの連係不足を狙って決勝点につながった。

 私が考えるスペインのキーマンはMFマタ。パスで周りの選手を生かす司令塔をどう抑えるかが重要になる。スペイン戦で勝ち点1以上取れれば、1次リーグ突破の可能性が見えてくるだろう。(元日本代表FW)

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