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岩本輝雄氏 クロアチアの全盛期は前回大会 両ワイドから日本にチャンス

[ 2022年12月4日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

スペイン戦を現地で観戦する岩本輝雄氏(撮影・西海健太郎)
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 【岩本輝雄の目】ベスト16入りを決めた日本代表は、5日(日本時間6日午前0時)に決勝トーナメント1回戦で前回大会準優勝のクロアチアと対戦する。レアル・マドリードのMFルカ・モドリッチ(37)を中心に、完成度は高い。欧州サッカーをよく知る元日本代表MFの岩本輝雄氏が分析した。

 クロアチアの中心はいうまでもなくモドリッチで、サッカー選手として必要なものを全て持っている。1メートル72と小柄で体も細いが、ボールを止める、蹴る技術は素晴らしく、“精密機械”と言われるほど。メッシのようにゴールを決めるより、ゲームメークしてパスを出すタイプで、彼がいるだけで「これだけ変わるか」というぐらいチームが変わる。

 特に右足のアウトサイドキックが絶妙で、予測不能の鋭いパスを出す。守る選手は、インサイドキックやインステップキックなら相手が蹴ろうとして足を上げた瞬間「こっちに蹴る」と予測できるが、アウトサイドは読みにくい。狭いところでもキープできるし、ボールを奪いにいっても簡単に外される。ミスをしない上にセンスは抜群、サッカーIQも高く、守備も忠実にやる。

 スッと離れて味方にスペースを与えたりするので、ダブルボランチとトップ下でうまく受け渡してグループで見た方がいい。サッカーは団体競技で、一人で全てをやることはできないので、チーム力でやることも重要だ。

 クロアチアは強豪ではあるが、私は準優勝した4年前のW杯ロシア大会が全盛期だったとみている。しかも、全員がモドリッチのような選手ではない。そして、クロアチアもドイツとスペインを破った日本を警戒しているはず。伊東や三笘、相馬のスピードは相手も嫌がっていて、両ワイドからチャンスをつくることができる。堂安も乗っている。勝機は十分にあると思う。(元日本代表MF)

 【ルカ・モドリッチ】☆生まれ&サイズ 1985年9月9日生まれ、旧ユーゴスラビア(現クロアチア)出身の37歳。旧ユーゴスラビア紛争で祖父をセルビア軍に殺害されるなど過酷な環境で幼少期を過ごす。1メートル72、66キロ。

 ☆サッカー歴 03年に17歳でディナモ・ザグレブ(クロアチア)とプロ契約。03年ズリニスキ・モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、04年インテル・ザプレシッチ(クロアチア)に期限付き移籍。05年ディナモ・ザグレブ復帰。08年トットナム(イングランド)移籍。12年Rマドリード(スペイン)移籍。

 ☆代表歴 06年初招集され同年3月アルゼンチン戦でデビュー。W杯は06年ドイツ大会、14年ブラジル大会、18年ロシア大会に続く4回目の出場。ロシア大会ではチームを準優勝に導き大会MVPに選ばれた。欧州選手権は4回出場。

 ☆クラブタイトル Rマドリードでリーグ優勝3回、国王杯優勝1回。欧州チャンピオンズリーグ優勝5回、クラブW杯優勝4回。

 ☆個人タイトル 18年にFIFAとUEFAの年間最優秀選手賞、フランスフットボール誌選定「バロンドール」を受賞。

 ☆人柄 寡黙な性格でインタビュアー泣かせ。家族は10年に結婚したヴァニャ夫人と1男2女。

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2022年12月4日のニュース