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68年メキシコ五輪で銅メダルの杉山隆一氏がエール 自分に厳しく、武士の精神持って銅を!

[ 2021年8月6日 05:30 ]

1968年、メキシコ五輪で準決勝進出を決めたフランス戦の杉山隆一氏(中央)
Photo By 共同

 メキシコ五輪の銅メダルの立役者となった元日本代表FW杉山隆一氏(80=元ジュビロ磐田取締役)が選手たちへのエールを寄せた。

 53年もたって、まだメキシコ五輪のことを引き合いに出されるのはいかがなものだろう。子供たちのために、是が非でも銅メダルを獲ってほしい。

 私たちも準決勝でハンガリーに0―5で大敗した。ショックで気がめいって、3位決定戦を戦う心境ではなかったが、FIFAの役員として来ていたクラマーさんが宿舎まで来て、いろいろと話をしてくれた。

 「日本は今まで世界でベスト4になったことはない。素晴らしい成績だが、ここで銅メダルを持って帰るか帰らないかで、日本のサッカーの歴史が変わる。もうワンチャンスあるのだから、銅メダルを獲って帰ろう」

 これで選手がもう一度奮い立った。

 メダルを獲るか獲らないかの差は大きい。私たちはメキシコから帰国すると、メダリストとして皇居に呼ばれた。4位では呼ばれない。その後の日本リーグの試合でも「ミスはできない。いいプレーを見せないと」という、いい意味での重圧があり、それでさらに成長することができた。

 前回の東京五輪やメキシコ五輪の頃は、ことあるごとに「ベルリンの奇跡を超えろ」と言われた。36年のベルリン五輪、1回戦で優勝候補のスウェーデンと対戦した日本が0―2から3―2と逆転勝ちした試合だ。「そんなことを言われても、知らないし」と思ったが、メキシコ五輪で銅メダルを獲ったら誰もベルリンのことは言わなくなった。

 私たちの時代はアマチュアで今はプロ。時代が違うし環境も違う。一つ私が感じていることを付け加えれば、今の選手はうまいが、メンタルがまだまだ。私たちの方がチームプレーに徹していた。もっと自分に厳しく、武士の精神を持ってほしい。そして五輪のメダルで満足せずに、W杯でベスト8の壁を破り、さらに歴史を塗り替えてほしい。(68年メキシコ五輪銅メダリスト)

 ◇杉山 隆一(すぎやま・りゅういち)1941年(昭16)7月4日生まれ、静岡県清水市(現静岡市清水区)出身の80歳。清水東から明大を経て三菱重工入り。「20万ドルの足」と称され、左ウイングとして活躍。日本代表では64年東京五輪に続いて68年メキシコ五輪にも出場し銅メダル獲得に貢献した。現役引退後はヤマハの監督に就任し、静岡県リーグから日本リーグ1部の強豪に導く。Jリーグ開幕後は磐田の取締役などを務めた。05年日本サッカー殿堂に掲額された。

 ▽メキシコ五輪の日本 1次リーグ初戦ナイジェリア戦にFW釜本のハットトリックで3―1と快勝。ブラジルに1―1、スペインに0―0の1勝2分けで8強入り。準々決勝はフランスに3―1と快勝して4強入りした。準決勝はハンガリーに0―5も、3位決定戦の開催国メキシコ戦は杉山の2アシストから釜本が2得点。2―0で下しアジア勢初の銅メダルを獲得し釜本は7得点で得点王となった。

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