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西野監督、いざ雪辱の“第2戦” 22年前の苦い記憶…マイアミの奇跡後にチーム分裂

[ 2018年6月24日 05:30 ]

W杯ロシア大会1次リーグH組   日本-セネガル ( 2018年6月24日    エカテリンブルク )

試合会場での練習で西野監督(中央)とともにピッチに広がる日本代表イレブン(撮影・西海健太郎)
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 おなじみのネタで“つかみはOK”だった。セネガル戦に向けた公式会見。西野監督は同時通訳機の装着の仕方が分からず「これ、やってくれよ」と同席した吉田にせがんだ。第1戦のコロンビア戦の前日会見で長谷部主将との同様のやりとりに続く、2回連続の“ボケ”で報道陣の笑いを誘った。外国人記者からセネガル対策を問われると、「ここ数日、乾と大島に5キロ増量、身長を5センチ伸ばすように指示したが、調整に失敗した。他の対応を余儀なくされている」とジョークで応じた。

 余裕の裏には万全の準備がある。ミーティングでは試合のシチュエーションごとに選手の意見を積極的に吸い上げた。前線からプレスをかけたい攻撃陣と、最終ラインの裏にスペースを与えたくない守備陣の考えを入念に擦り合わせ、戦い方を決定。ピッチ上での戦術確認は22、23日の2日のみだが、座学に時間を割き、コーチ陣を含めた全メンバーの意思統一を図った。

 22年前の教訓を生かした。96年アトランタ五輪。第1戦でブラジルを破り迎えた第2戦ナイジェリア戦のハーフタイムに“衝突”が起きた。初戦から続く超守備的布陣に業を煮やした、前園、城、中田が前線に人数を割くことを要求。激しい口論の末に指揮官は前半と同様の戦術を指示した。結果は後半の2失点で0―2の敗戦。第3戦でハンガリーに勝ったが、決勝トーナメントを逃した。同じ轍(てつ)は踏まない。

 日本がW杯で連勝したのは1次リーグ第2戦でロシア、第3戦でチュニジアに勝利した02年日韓大会の1度だけ。西野監督は「3戦目は敗者復活と考えている。首位に立つ状況で、2戦目で決めないといけない。多少のリスクがあっても勝負をかける。恐れは全くない。楽しみ」と必勝を期した。何度も笑いを誘ったノリノリ状態の勢いのままに、一気に決勝トーナメント進出を決めにいく。

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