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スイス代表“双頭の鷲弾”物議 政治的パフォ?で処分の可能性

[ 2018年6月24日 05:30 ]

W杯ロシア大会1次リーグE組   スイス2-1セルビア ( 2018年6月22日    カリーニングラード )

<セルビア・スイス>ゴールを決め“鷲ポーズ”をするスイス代表のシャカ
Photo By 共同

 今大会26試合目にして初の逆転勝利。2大会連続の決勝トーナメント進出へ前進したE組のスイスだが、歓喜のパフォーマンスが思わぬ波紋を広げた。

 後半45分にMFシャキリが劇的な決勝弾。「ゴールしたことに満足している。その感情を表現した」。両手の親指を絡めて胸の前で両手をクロスさせる「双頭の鷲」ポーズで喜びを爆発させた。同7分に同点ゴールを決めたMFシャカも同じポーズで喜びを表した。

 双頭の鷲はアルバニア国旗に描かれているもの。シャキリ、シャカの2人はアルバニア系スイス人で、アルバニア人が多数を占めるコソボにルーツを持つ。対戦相手がコソボ独立を認めていないセルビアだったことから“政治的意図”があったとの臆測も広がった。シャキリは「何人かにとっては特別な試合だった」と打ち明けた。

 ペトコビッチ監督は「感情を表現したのは明らかだ」と2人を擁護したが、FIFAは政治的なパフォーマンスを認めておらず、処分が下される可能性も浮上。最終節のコスタリカ戦は引き分け以上で突破が決まるスイスに暗雲が垂れ込めてきた。

 ▼コソボ セルビアに属する自治州の一つだったが、08年2月に独立を宣言。国民の9割以上をアルバニア人が占める。周辺には北東にセルビア、南西にアルバニアがある。1998〜99年の武力衝突「コソボ紛争」よってセルビア政府の実効支配から完全に脱したが、難民は20万人に上った。

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