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鹿島19冠 120分激闘制した 下克上ストーリー完結

[ 2017年1月3日 05:30 ]

天皇杯決勝   鹿島2―1川崎F ( 2017年1月2日    吹田スタジアム )

<天皇杯決勝 鹿島・川崎F>天皇杯を制して歓喜の鹿島イレブン
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 鹿島は吹田スタジアムで1日に行われた決勝戦で川崎Fを延長戦の末に2―1で下し、6大会ぶり5度目のタイトルを手にした。1―1で迎えた延長前半4分、途中出場のFWファブリシオ(26)が決勝点。120分間の激闘を制し、リーグ優勝に続く今季2冠目を手にした。国内主要タイトルは19冠目。無敵ぶりを見せつけた。

 最高のフィナーレで17年の幕が開けた。120分間の激闘を制し、つかんだ16年度2つ目のタイトル。優勝杯を手にしたMF小笠原主将が真っ先に向かったのは、表彰台の端にいた石井監督のもとだった。遠慮して抵抗する手を取って中央に誘う。指揮官が大切そうに優勝杯を掲げた瞬間、黄金のテープがイレブンに降り注いだ。

 小笠原は「勝ちにこだわった戦い方ができた」と胸を張った。前半42分にCKからDF山本のヘッドで先制したが、後半9分に失点。追い込まれながらも冷静に試合の流れを読んで全員で意思を統一させながらゴールを狙った。最後はFW鈴木の折り返しをDF西が倒れ込みながらつなぎ、今季での退団が決まっているFWファブリシオが豪快に右足で決勝点。石井監督は7度宙に舞った。

 川崎F戦から始まった下克上ストーリーだった。昨年11月のチャンピオンシップ準決勝で年間勝ち点13差の川崎Fを撃破、浦和も破って優勝を果たした。続くクラブW杯ではアジア勢初の決勝まで進出。MF永木も「あまり味わったことのないような気持ち」と話すように一戦ごとに集中力が研ぎ澄まされ、チームとして成長を続け天皇杯の頂点まで駆け上がった。

 ▼クラブの国内の主要タイトルは19冠目。接戦を演じながら敗れた川崎Fとの差を「経験値」と語る人もいる。だが、鹿島が6大会前に天皇杯を制した時のメンバーはMF遠藤、小笠原、GK曽ケ端のみ。クラブ全体にイズムを引き継ぐ環境があるから、強さが引き継がれる。石井監督の来季続投は決定的。チームは今月17日に始動予定だ。つかの間の休みを経て、クラブ20冠目のタイトルへ、また走り始める。

 ▼最近10大会の天皇杯優勝クラブ 優勝回数はG大阪が最も多く08、09、14、15年度に4度制した。続いて鹿島が07、10、そして今回の16年度の3度。FC東京、横浜、柏もそれぞれ1度優勝した

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2017年1月3日のニュース