タカラジェンヌ転落死受け宝塚歌劇団・木場理事長が会見 いじめ報道後両当事者に聴取「ないと認識」

[ 2023年10月7日 12:22 ]

劇団員の転落死について会見する宝塚歌劇団・木場健之理事長
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 宝塚歌劇団は7日、兵庫・宝塚市の同劇団で会見を行い、先月30日に25歳の劇団員が自宅マンションから転落死した件について、原因究明のための「調査チーム」を立ち上げることを明かした。

 さらに、現在休演中の宙組公演「PAGAD(パガド)」「Sky Fantasy!」も22日まで引き続き中止することを発表した。

 登壇した木場健之理事長はあらためて哀悼の意を表し「大切な仲間の命が失われるという、極めて重大なことと受け止めており誠に無念でなりません。寄り添いながら安全を第一に考え、今後2度とこのような悲しいことが起こらないように、しっかりと取り組んでいきたい」と声を詰まらせた。

 「調査チーム」については、すでに劇団や親会社の阪急電鉄とは接点がなかった弁護士事務所に依頼。「なるべく早く」(同理事長)宙組の生徒への聞き取り等を1週間程度時間をかけて行い、その結果を受け医師やカウンセラーに依頼するという。劇団側は質問内容にはタッチせず、聞き取りの場にも立ち合わない。「出演者の方から思いをすべて語ってもらい、それで今後どうしたら出演者たちも安心、安全にできるのか。お客さまも安心してご覧頂けるのか、つとめていきたい」とした。

 同劇団に関しては、所属する25歳女性が先月30日午前7時ごろ、同市内の自宅マンションから転落。死亡が確認された。発見されたマンションの最上階には、本人のものとみられる荷物が発見されており、第三者が関わった痕跡が見られないことから自殺を図ったものとみられている。30日は新人公演の稽古初日だった。

 歌劇団については今年2月、週刊誌で具体的な「いじめ」報道があった。劇団は当時も両当事者、周囲にも事情を聴取したことを明かした。具体的には上級生が下級生の髪形をアドバイスする際、故意におでこに押し当てやけどを負わした、というものだった。理事長は「髪型をアドバイスするのはよくあることで、その際、誤ってヘアアイロンが当たった。故意に押し当てたわけではない、と結論付けていた。両当事者から聞き取りし『ない』と明言を受けていたので、こちらもその認識だった」とした。

 現在、中止している宙組公演については、転落するシーンが含まれているため、演出についても「今後変えることがあるかもしれない」とした。

 現役のタカラジェンヌが転落死するという衝撃的な事故。「公演再開」をすでに目指していることについて「やはり公演を待っていらっしゃるお客さまにお届けするのが使命だと思っています。1人の人間の命が失われるという悲しいできごと。それをある意味乗り越えて、彼女たちは舞台に立つためにここに来た人間ですので、もちろん心身に十分配慮しながら彼女たちの板にかける思いもくみたい」などとした。

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