ゆるキャラグランプリ3年ぶり復活!メタバース&リアルの史上初ハイブリッド選挙、名称「ゆるバース」に

[ 2023年4月26日 11:06 ]

3年ぶりに復活する「ゆるキャラグランプリ」改め、「ゆるバース」のキービジュアル
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 全国のご当地キャラクターや企業のマスコットキャラクターなどが人気を競い、社会現象にもなった「ゆるキャラグランプリ」(2011年から10年連続開催)が3年ぶりに復活する。コロナ禍で接触や密を伴うご当地キャラの稼働は大きく制限された中、3次元の仮想空間メタバースと連動させ、リアル会場での決選投票も行う史上初のハイブリッド選挙。仮想空間から“第2のくまモン”が誕生するか注目される。

 ご当地キャラを仮想空間と連動させて復活する、ゆるキャラグランプリ。名称も「ゆるバース」に改める。主催する「ゆるバース製作委員会」(NTTコノキュー、パソナグループ、ディスクベリー・ドット・コム、スポーツニッポン新聞社、サーカス)が26日、報道各社に発表した。

 メタバースとはインターネット上に作られた3次元の仮想空間。自分の分身である「アバター」を作成することで空間内を自由に行動できる。移動はもちろん、他のユーザーとの会話や共同作業も可能で仮想空間に自分がいるような感覚で操作できるのが魅力だ。

 一方、ゆるバースは“ゆる~い”名称通り、メタバースで使うVRゴーグルなどの機器や専用アプリも不要。スマートフォンやパソコンのブラウザから簡単に入ることが可能だ。各ご当地キャラを再現した3Dアバターは選挙活動や広報活動をここで自由に行い、一般の方々は好きなキャラクターの空間を体験しながらグランプリ投票を無料で楽しむことができる。NTTコノキューが提供する独自のメタバース空間「DOOR」を利用することで、老若男女の誰もが簡単に楽しめる空間を実現する。

 復活の理由はコロナ禍だ。もともと、ゆるキャラグランプリは東日本大震災があった2011年に「地方を元気に、笑顔に」の思いから始まった。その第1回大会で優勝したのが熊本県のキャラクター「くまモン」。これを機に全国でゆるキャラブームを巻き起こし、くまモン関連商品の売上高が累計1兆円を超える大ヒットとなったことから、ブレークの舞台となった同イベントはご当地キャラを全国区に押し上げる登竜門となった。

 開催10回目の2020年にその役割を終えたが、同時期から襲ったコロナ禍で地方の観光産業は大打撃を受け、地域のPRを担うご当地キャラの活動も困難に。そしてアフターコロナに向けた動きが出てきた中、各地方自治体などからの復活を望む声に応える形でゆるバースは生まれた。

 アフターコロナ時代にふさわしい開催方法を模索し、たどり着いたのがメタバースでの開催とリアルイベントのハイブリッド。実物キャラクターが重要視されるイベントのため、3Dで開催できるメタバースとの親和性は高く、さらにブラウザからも入れる“初心者向け”の「ゆるバース」は地域のDX化促進にも大きく寄与する取り組みとなる。

 5月中旬からキャラクターエントリーの申し込みを開始。7月上旬にメタバース空間が完成し、各ご当地キャラの宣伝活動がスタート。8月上旬から投票が始まり、決戦投票&表彰式は10月27~29日に兵庫県淡路市でリアル開催される。

 <全5社が製作委員会に> 「ゆるバース」を主催する製作委員会は、NTTコノキュー(本社・東京都千代田区、丸山誠治社長)、パソナグループ(本社・東京都千代田区、南部靖之グループ代表)、ディスクベリー・ドット・コム(本社・東京都中央区、西秀一郎社長)、スポーツニッポン新聞社(本社・東京都江東区、小菅 洋人社長)、サーカス(本社・東京都港区、河野広一社長)の全5社。ゆるキャラグランプリを運営してきたディスクベリー・ドット・コムの西社長は「様々な業種のスタッフが知恵を出し合い、ゆるバースがアフターコロナ時代における地域振興の新たな起爆剤に少しでもなれれば」と話している。

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