公取委 吉本芸人の契約形態「問題だ」事務総長定例会見

[ 2019年7月25日 05:30 ]

 公正取引委員会の山田昭典事務総長は24日の定例記者会見で、吉本興業が所属する多くの芸人と契約書を交わしていないことを念頭に「競争政策上、問題だ」と述べた。吉本では雨上がり決死隊の宮迫博之(49)らの「闇営業」が発覚。これまでに計13人が謹慎などの処分を受けた。吉本側が芸人らと契約書を交わしていないことを疑問視する指摘も出ている。

 公取委の有識者会議は昨年2月にまとめた「人材と競争政策」に関する報告書で、「発注者(芸能事務所)は書面により、報酬や発注内容といった取引条件を具体的に明示することが望ましい」と提言。著しく低い対価で取引を求めることなどは独禁法上の問題となる場合があるとしている。

 山田事務総長はこの報告書に触れ「契約書がないことが直ちに問題になるわけではない」とした上で「契約内容が不明確なことで優越的地位の乱用などを誘発する原因になり得る」と指摘した。

 芸能事務所を巡る問題で公取委は、ジャニーズ事務所がSMAPの元メンバーを出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いがあり、独禁法違反(不公正な取引方法)につながる恐れがあるとして注意した。

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2019年7月25日のニュース