生命力伝える映像表現、m―flo新曲MV手掛けたクリエーターの作品に懸ける思い

[ 2019年7月25日 05:55 ]

m―floの新曲MVを手掛けたテル氏
Photo By 提供写真

 先月24日から配信されているm―floの新曲「EKTO」のミュージックビデオ(MV)が反響を呼んでいる。ハワイ島で撮影されたMVを手掛けたテル氏(33)に、作品の意図や今後の制作活動への思いを聞いた。

 荒涼としたハワイ島の火山地帯で真っ赤な衣装のLISAと宇宙船から降りた白い衣装のVERBALがラブバラードを情熱的に歌う。テル氏は「(MVは将来にわたって)残っていくもの。ずっと見てもらえるコンテンツに」とMVの監督として企画、制作を行った。

 今作はハワイ州観光局と組んでの作品。撮影は4月に行われ、火山島でもあるハワイ島は、地球内部の動きを直に感じられる場所。テル氏は「大自然から成る生命力を伝えたいというのがあって、m―floの世界観と合わせていった。m―floの皆さんにも喜んでもらえた」と出来栄えに手応えは十分だった。

 米国出身のテル氏は、親の仕事の関係で幼少期から日米を行き来し、中学3年で米国に留学。音楽や舞台といったアーティストとしての学習を重ねてきた。大学時代にはシンガーとしてデビューするなど音楽活動も行い、映像の世界に転じてからはCM撮影にも携わっている。

 昨年はサントリーの「ブルーベリーヨーグリーナ」のTVCMで「宣伝会議MOBILE CREATIVE AWARD 審査員特別賞」を受賞。WEB動画でゆりやんレトリィバァ(28)を起用した6編のショートストーリーを制作して高い評価を得た。座右の銘として「やれるだけのことをやり切る」を軸にしており、テル氏は「納期は守りますが“これでいいか”と思うと、これ以上(良いものに)行かない。作品、お客さんに最後まで向き合っていきたい」と、ぎりぎりまで妥協しない姿勢で制作にあたっている。

 都内でタクシーサイネージサービスを提供するなど動画マーケティングを中心に事業を展開する会社の映像部門に籍を置きながらクリエーティブな作品を送り出し続けるテル氏は、大きな目標に映画製作を掲げている。「自分が作りたいものを」という視点から、ショートフィルムからその先に長編を構想。テーマについては模索中としながらも「死」という重いものも頭の中にあるという。とはいえ、ネガティブに捉えるのではなく「ダークな部分をポジティブにできるような」表現をイメージしており、これからテル氏の生み出す世界観に注目が集まる。

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2019年7月25日のニュース