七代目「尾上丑之助」5歳で堂々と牛若丸 令和世代・菊之助長男が初舞台 父に命令「おれの馬になれ」

[ 2019年5月4日 05:30 ]

 令和元年最初の歌舞伎公演「團菊祭五月大歌舞伎」(27日まで)が3日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。夜の部「絵本牛若丸」では尾上菊之助(41)の長男、寺嶋和史(かずふみ)くん(5)が七代目尾上丑之助(うしのすけ)を名乗り初舞台を踏んだ。祖父の尾上菊五郎(76)、中村吉右衛門(74)、菊之助の父子3代で口上も行い「どうぞよろしくお願い致します」と堂々とあいさつした。

 丑之助が演じたのは、菊之助が1984年に6歳で初舞台を踏んだ時と同じ牛若丸役。6人相手の立ち回りや見えも切ってみせ、「音羽屋!」の掛け声とともに2000人の観客から拍手を浴びた。ラストは菊之助が初役で演じる弁慶との親子芝居。アニメ界の巨匠・宮崎駿氏(78)が描いた「祝幕」が閉まると、丑之助は花道で飛び六方。続いて「おれはくたびれた。おれの馬になれ」と父親に“命令”。菊之助は息子を肩車して去っていった。

 舞台を見守った菊五郎の妻で女優の富司純子(73)は「和史の方が(菊之助より)しっかりしていました」と安堵(あんど)の表情。伯母に当たる女優の寺島しのぶ(46)もおいの晴れ舞台に駆け付けた。16年5月にも舞台に立っているが、この日をもって尾上丑之助として正式にデビュー。令和1人目となる歌舞伎俳優の誕生に、人間国宝の両祖父も目を細めていた。

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2019年5月4日のニュース