「巨人の星」原作者・梶原一騎氏の執筆部屋テレビ初公開

[ 2019年1月7日 06:30 ]

漫画原作者の故梶原一騎氏(C)A・T products
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 「あしたのジョー」「巨人の星」「タイガーマスク」などの漫画原作者で、昭和40年代のスポ根ブームをけん引し、87年に50歳で他界した故梶原一騎氏について、実弟で作家の高森日佐志氏(75)らが語る番組が放送される。

 BS朝日「ザ・ドキュメンタリー 昭和の劇画王 梶原一騎」(12日後7・00)。日佐志氏は梶原氏に関する著書があるが、テレビで語るのは初めて。一家が東京・蒲田で過ごした青年期までの秘話などを明かしている。ペンネームの「梶原」は梶原氏の初恋の女性の姓からとったもので「その女性は、ファンだった美空ひばりさんに似た人だった」という。

 「あしたのジョー」のちばてつや氏や「巨人の星」の川崎のぼる氏、「侍ジャイアンツ」の井上コオ氏らタッグを組んだ漫画家たちの回想から“梶原原作”が、いかに想像力がふくらむものだったかが浮かび上がる。

 川崎氏は「巨人の星」の星飛雄馬の瞳に炎を描き込んだエピソードを披露。ちば氏は「あしたのジョー」で繰り広げられた“原作者VS漫画家”のバトルを明かす。

 遺作となった「男の星座」で作画を担当した原田久仁信氏や、梶原氏に影響を受けた漫画家で、格闘漫画「刃牙」シリーズの板垣恵介氏は、リアリティーを大切にしながら虚構を大胆に織り交ぜる“梶原マジック”の魅力に迫る。

 梶原氏の自宅内に設けられ、数々の名作が生まれた執筆部屋と、編集者らが待機した応接室が、没後初めてテレビで公開される。

 また、今回の取材で発見された、事務所開きの様子を撮ったビデオも紹介する。「空手バカ一代」の主人公ととして描かれた武道家の故大山倍達氏が駆け付け、梶原氏と二人で等身大写真パネルにサインする姿が収められている。

 “スポ根”作品と違う父親像も。長男の高森城(じょう)氏は野球部の練習をケガで休んだ話を披露。松葉杖をつくほどのケガに、部の仲間は「お前の父さん、休ませてくれるかなぁ」と心配したそうで、城氏は「作品からすると父は“足を折っても頑張っているうちに固まる”と言いそうなイメージですからね」と苦笑い。実際は「“しっかり休んで次に備えろ”と言ってくれた」と振り返っている。

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