篠山紀信氏 松井に拍手「門出を祝い、その姿を追いかけたい」

[ 2012年12月29日 06:00 ]

99年、巨人キャンプを訪れ、松井(右)と談笑する篠山紀信氏

 松井秀喜外野手(38)の引退発表に、野球界だけでなく各界から、ねぎらいや今後の人生へのエールなど、さまざまな声が寄せられた。松井を10代から撮り続けてきた写真家の篠山紀信氏(72)は引退会見に「すがすがしい思いがする。新たな門出を応援したい」と潔さに拍手を送った。

 親交の深かった歌舞伎俳優中村勘三郎さんの本葬(27日)の翌日に飛び込んできた松井引退の一報。篠山氏は「片や亡くなる方がいて、一方では引退する人がいる。人生よくよくいろいろなことが起こりますね」としみじみ語りながら、松井の決断には賛辞を贈った。

 「どこか他の球団にへばりつくんじゃなくて、自分のことを考えて決着をつけた。勘三郎さんの死は悲しくてしかたがないが、松井選手にはすがすがしさを感じる」

 出会いは92年暮れ。松井が巨人からドラフト指名を受け、入団を決めたタイミングで故郷・石川県に飛び、日本海の荒波に向かって素振りをする学ラン姿をフィルムに焼き付けた。96年には雑誌の仕事で上半身裸のゴジラを激写。インパクト十分の写真は大きな話題を呼んだ。

 「巨人時代には宮崎キャンプにもお邪魔したし、ヤンキースに入団してからも2度撮らせてもらった。ヤンキースタジアムのロッカールームや通路、フロリダのタンパにキャンプを追いかけたことも懐かしい」

 松井が帰国した際にはともに行きつけの東京・銀座の小料理店でよく食事もしたと明かす篠山氏は「根が真面目。スーパースターにとって、時にそれがマイナス要素に働くこともあるが、松井はデビューから引退に至るまでポリシーを持って“真面目”を貫いた。本当に清廉潔白な人」と人柄を称える。

 その上で「真面目でタフで格好いいゴジラがこれから“第二の人生”に挑戦する。どんな道に進むのか分からないが、門出を祝い、その姿を追いかけたい。僕も応援していきますよ」と最後はエールで締めくくった。

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2012年12月29日のニュース