ソフトB・スチュワート 大好きなゴルフ“封印”して来日5年目の初勝利 「またガチでガンバリマース」

[ 2023年7月27日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7―1オリックス ( 2023年7月26日    京セラD )

<オ・ソ>藤本監督(右)に祝福される、6回1失点でプロ初勝利を挙げたスチュワート(撮影・成瀬 徹)
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 ソフトバンクは26日、オリックスと対戦し、先発のカーター・スチュワート投手(23)が、6回1失点の好投を見せ来日5年目、登板16試合目にして待望のプロ初勝利を挙げた。打線は1―1の5回に甲斐拓也捕手(30)が6号3ランを放ち、勝ち越しに成功。今宮、近藤にも一発が出てオリックス先発・宮城から3発を放つなど快勝。悪夢の12連敗の後、2連勝となった。

 無精ひげをたくわえたスチュワートは藤本監督と肩を組んで記念撮影に応じると初のお立ち台に上がった。来日5年目にして念願のプロ初白星。「あり(がとう)ざいまーす!」と日本語で叫ぶと興奮気味に喜んだ。

 「頭の中に一番に浮かんだ言葉は“やっと”。平らな道ではなかった。アップダウン、いろいろあった。でも努力し目標を定めると、こういう日が来る。もっと早く勝てたら良かったが、ここからがスタート」

 21年4月17日西武戦の中継ぎ初登板から通算16試合目、先発では9試合目で初勝利。「前回、やられているのでやり返す。絶対に生かす」。前回17日のオリックス戦では7回3失点で2敗目を喫し、チームは9連敗。そしてこの日は6回6安打1失点と雪辱した。ピンチは初回のみ。1死から二塁打と失策が絡んで一、三塁でセデーニョに左前打で先制を許すも同一、二塁で頓宮を左飛、杉本を右飛に斬った。2回以降は毎回の6三振。最少失点で終えた。

 高校生だった18年に大リーグドラフトでブレーブスから1位指名(全体8位)を受けたが身体検査で入団に至らず。短大在籍時の19年にソフトバンクと破格の6年契約を締結した。2軍監督時代から見てきた藤本監督は、2年ぶり1軍登板となった6月18日の阪神戦で先発に抜てき。5戦目で結果で応えた右腕の成長を感じ取った。

 「悪いなりにゲームをつくれる。だいぶ成長したかな。ボール先行したら四球やったけどそれが勝負できるようになった」

 ゴルフの腕前も一級品でベストスコアは「64」。ただ覚悟を持って今季に臨んでいる。ラウンドを楽しみしていたが今季は道具一式を米国の自宅に置いたまま。本職の投球だけを磨く。自宅ではオンライン授業で日本人教師から日本語を学ぶ。好きな言葉は本気の意味の「ガチ」だ。

 これでチームは12連敗後に2連勝。貯金を5に戻し、オリックスと6差に迫った。藤本監督は「うちは12連敗して2連勝。でも首位に勝ったということでこれから勢いに乗っていけたらいいと思う」と手応えを口にした。お立ち台でスチュワートは「皆さん、またガチでガンバリマース」。日本語でチームの今後の士気を代弁していた。(井上 満夫)

 ◇カーター・スチュワート 1999年11月2日生まれ、米フロリダ州出身の23歳。オーガリー高在学時の18年にドラフト1巡目(全体8位)でブレーブスから指名されたが、入団せずにイースタンフロリダステートカレッジに進学。19年5月25日にソフトバンクと契約した。1メートル98、101キロ、右投げ右打ち。

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