巨人・横川 プロ初勝利!育成2度経験5年目 大阪桐蔭同期の根尾、柿木より早く

[ 2023年4月24日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人7-3ヤクルト ( 2023年4月23日    神宮 )

<ヤ・巨>プロ初勝利の横川(左)はウイニングボールを手に原監督と笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 回り道をしても、高い向上心ではい上がった。巨人の横川が通算7度目の先発で5回5安打2失点でプロ初勝利。「苦しいこともあったけど、自分を信じて、いろいろな人にも助けられて初勝利することができた」と笑った。

 昨オフに2度目の育成契約となった1メートル90の5年目左腕。危機感が増し投球フォームを大きく変えた。グラブを持つ右手を高々と上げ、豪快に投げ下ろす。「軽く投げて143キロ。“これや”って確信した」と振り返る。カーブやスライダーなど変化球は得意だったが「普通に投げても137キロ、138キロしか出なかった」という直球の課題が一気に解消。最速146キロとなり3月に支配下に復帰した。この日も最速145キロ。サンタナに2ランを浴びた4回も、なお1死一塁で青木を直球主体で追い込み、最後はスライダーで二ゴロ併殺。5回を59球とリズムも抜群だった。

(前回登板分析/中9日で修正/) 危機感が土台をつくった。根尾(中日)らと甲子園春夏連覇した大阪桐蔭の史上最強世代。だが1年目の春季キャンプでは壁を感じた。「このままでは3年でクビになる」と覚悟。自分を変えるためメモを取り始めた。「気づいたことをノートにまとめる。毎日徹底した」。何が必要かを考える習慣が身についた22歳は、5回4失点だった前回13日の阪神戦を「頭が前に突っ込んでいた」と分析。中9日の間に修正した。

 「理想と現実の差を埋めることしか考えていない。向上心を持ってやっていきたい」と横川。チームを6カードぶりの勝ち越しに導く好投を見せたが、決して浮かれることはない。理想は、まだまだ高いところにある。(小野寺 大)

 ≪滋賀から応援に駆け付けた両親も笑顔≫滋賀県から神宮に駆けつけた横川の両親も白星を喜んだ。願掛けで白のズボンを着用していた父・拡生(ひろき)さんは「ホッとしました。やっと結果に結びついてくれた」と笑顔。この日、横川の自宅に寄った際に、朝食を用意したという母・三佐子さんも「朝の西京焼きが効いたかな。“最強がええやろ”と出しました」と笑った。2人そろっての観戦は今季初。最高の親孝行となった。

 ◇横川 凱(よこがわ・かい)2000年(平12)8月30日生まれ、滋賀県出身の22歳。1メートル90、98キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 小3から野球を始め、大東中では「湖北ボーイズ」に所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年春夏、3年春夏に甲子園出場。計4試合に登板し3年時に春夏連覇。18年ドラフト4位で巨人入り。

 ☆タワーマン 春季キャンプでグラブを持つ右手を高く上げる新フォームで球威が増した姿を見た原監督が命名。

 ☆ライバル 大阪桐蔭では根尾(中日)、藤原(ロッテ)、柿木(日本ハム)が同期で同時にプロ入り。「高校3年間は自分が一番下だった。自分が一番になりたいという思いはある」

 ☆名前の由来 凱旋門の凱から。「凱」からいろんな可能性が広がっているという意味が込められている。

 ☆目標 「日本を代表する投手」。野球を始めたきっかけが第2回WBCで「日本の選手たちを見て憧れだったので、自分もそういうところに立って野球をしたい」。

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