初の聖地切符つかんだ彦根総合 滋賀県勢として春夏通じ初の日本一に挑む

[ 2023年1月28日 05:00 ]

センバツ出場36校決定

センバツ出場を決め、帽子を投げて喜ぶ彦根総合ナイン(撮影・椎名 航)
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 第95回選抜高校野球大会(3月18日から14日間、甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日に開かれ、彦根総合(滋賀)が春夏通じて初出場を決めた。最速138キロを計測するエース左腕・野下陽祐(2年)を中心に、昨秋の近畿大会では8強入りと躍進した。2004年済美(愛媛)以来史上17校目となる選抜初出場初優勝と、春夏通じて滋賀県勢初の全国制覇を目指す。

 新興勢力が滋賀の歴史を変えようとしている。彦根総合の目標は、近畿では春夏通じて滋賀のみが達成できていない日本一。上田大地主将(2年)がナインの思いを代弁する。

 「宮崎先生から“滋賀県が獲ったことのない日本一になろう”と声をかけてもらい、彦根総合に入った。目標は日本一です」

 北大津(滋賀)で春夏計6度の甲子園に導いた宮崎裕也監督が、20年4月から同校に赴任したことで躍進が始まった。同監督が勧誘した有力選手を中心に昨秋の近畿大会では8強入り。準々決勝では大阪桐蔭に4―9で敗れたものの、今秋ドラフト1位候補の前田悠伍から3回までに4点を奪って一時リードするなど、勢い任せではない地力の高さを示した。

 快進撃を支えてきた最速138キロ左腕の野下も日本一だけを見据えている。「全国制覇するために彦根総合に入った。目標は日本一です」。昨秋の大阪桐蔭戦は3回2/3、7失点(自責5)と崩れた。それでも、昨秋の明治神宮大会で日本一に輝いた相手との善戦に手応えを感じている。

 「試合前は本当にやり合えるのかなと不安でした。だけど、日本一のチームに少しだけですけど対等に戦うことができた。この冬次第で勝つこともできるのかなと感じました」

 昨春は、近江が滋賀県勢初の日本一にあと一歩となる準優勝までたどり着いた。主将の上田は、滋賀から今大会唯一選出された誇りを胸に甲子園へと向かう。「滋賀が強い印象は、あまりないと思う。滋賀で一番有名なのは近江高校。“近江以外にも強い高校があるんだぞ”と示したいです」。選抜初出場で優勝したのは過去に16校ある。彦根総合が春の甲子園で、新たなドラマをつくろうとしている。

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