03年以来4度目の頂点狙う広陵 主砲・真鍋頼み脱却の全員野球で挑む

[ 2023年1月28日 05:00 ]

センバツ出場36校決定

センバツ出場が決まり、帽子を投げる広陵ナイン
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 第95回選抜高校野球大会(3月18日から14日間、甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市の毎日新聞大阪本社で開催され、広陵(広島)が2年連続26度目の出場を決めた。高校通算49本塁打を誇る真鍋慧(2年)が打線の中核を担うが、小林隼翔(はやか=2年)主将は“真鍋頼み脱却”での全員野球で日本一を目指すと誓った。組み合わせ抽選会は3月10日に行われる。

 雪が舞う中、硬い表情を見せていた広陵ナイン。国貞和彦校長から吉報を伝えられると、一瞬にして笑顔の花を咲かせた。打線では今秋ドラフト候補にも挙がる真鍋が軸。だが小林主将は、その主砲に頼りすぎない全員野球で、日本一を目指すことを誓った。

 「全員野球で日本一を目指したい。真鍋が勝負してもらえなかったら、次に回ってくるのは自分。全打席、打つぐらいの気持ちで打席に入ろうと思うが、それで硬くなるのは良くない。みんなでカバーし合っていきたい」

 高校通算49本塁打を誇るスラッガーには、相手も対策を練ってくるであろうことが想像に難くない。だから選抜でも4番を担う見込みの小林は、“脱・真鍋頼み”で勝ちきるチームづくりを目指してきた。昨秋の新チーム発足後は練習試合を含めて50連勝を記録するも、昨年11月の明治神宮大会決勝で大阪桐蔭に敗れ、連勝もストップ。「技術で勝っていくのは難しい。だからチームとして勝てるように」。見つかった課題を全体ミーティングで共有し、チームの方向性は定まった。

 この冬の練習からは各自のタイプに合った打撃を心がけるよう、意識付けを徹底。自主練習では素振りを100振してからメニューに移るなど、振り込む量も増やした。すべてはチーム力底上げのため。仮に真鍋が勝負を避けられても、打ち取られても、残るメンバーが各自の役割を果たし点をもぎ取る。「しっかり後ろにつなげる4番になりたい」と小林。昨秋は主に5番の只石貫太(1年)も「真鍋さんが凡打しても自分が打ってやるという気持ちになる。強い気持ちで打席に入る」と決意を新たにした。

 中井哲之監督が「去年よりもいい」と自信を持つ投手陣も強力。中心的存在は左の倉重聡(2年)、右の高尾響(1年)だ。昨秋の中国大会で4試合に先発し、防御率0・39(計23回1/3を自責1)の安定感で優勝に貢献した倉重は「失点を少なくすることで攻撃にも流れをつくると思う」と言葉に力を込めた。

 個々が自覚する役割を果たすことが、絶対的主砲の負担軽減にもつながる。それこそが全員野球。一枚岩となり、03年以来20年ぶり4度目の頂点を望む。(長谷川 凡記)

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2023年1月28日のニュース