阪神新助っ人・ミエセス　愛称は「ミエちゃん」虎色ドレッドで大激戦の右翼獲りマス

阪神入団会見で笑顔を見せるミエセス（撮影・平嶋　理子）
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　阪神の新助っ人・マイナーリーグ通算140本塁打のヨハン・ミエセス外野手（27＝前レッドソックス傘下3A）が27日、兵庫県西宮市の球団事務所で入団会見を行った。体重120キロ、虎カラーを連想させる金色と黒のドレッドヘアというド迫力の風貌で、「コンタクトをすれば結果は出る」と本塁打量産に自信を見せた。21年には貨物列車に直撃する場外弾を放った怪力エピソードを持つ。仲間からさっそく「ミエちゃん」の愛称をもらったドミニカンが大激戦の右翼獲りを狙う。

　でかい。新助っ人のミエセスはとにかく迫力がある。頭頂部で一つに束ねた黒と金色のドレッドヘアが、1メートル85、120キロの巨体をさらに大きく見せた。「日本でのチャンスをものにしたい」と口にした会見の第一声こそ、蚊の鳴くような声だったものの、マイナー通算140本塁打を放った打撃の話になると声が大きくなった。

　広い甲子園を気にする様子はなく、「飛距離を考えて打つことはないが、しっかりコンタクトすれば結果はついてくると思う」とアーチ量産を宣言した。

　怪力エピソードがある。レッドソックス傘下の3Aで放った21年6月の場外弾は、球場の左翼後方を走る貨物列車を直撃して話題になった。「凄く覚えている。周囲に凄いパワーと言ってもらえて自信になった」。435フィート（約133メートル）の一撃は、打った瞬間にそれと分かる当たり。英語で「ムーンショット」といわれる月まで届きそうな高い放物線こそ、新助っ人の持ち味だ。ドミニカ共和国代表で銅メダルを獲得した21年東京五輪では2本塁打を打った。

　その風貌を「ベンチの真ん中に座らせるだけでも迫力あるで」と評していた岡田監督は、球団で初対面し「当たったら飛ぶやろな」と右の大砲への期待を口にした。髪形を見て「帽子、かぶれるか？」と心配しつつも、「紅白戦は出られると思うけどな」と、今春初実戦となる2月11日の紅白戦で実戦デビューさせる意向を示した。

　現状の助っ人野手では左翼を守るノイジーに次ぐ2番手扱い。レギュラー獲りへは、森下、前川、井上らとの右翼争いに勝つ必要がある。「自信があるのは右翼」と言いつつも、巨体ゆえ、守備範囲が不安視される。そうした雑音を封じるように「維持できる体重なので、普通にできる」と胸を張った。

　会見前にはチームメートとも初対面。若虎らは迫力に驚いた表情を見せた。ただ、早くも選手たちと打ち解けた様子で愛称も付けられたことを明かした。「ミエちゃんと呼んでもらった。気に入っている」。取材対応後は室内練習場で体を動かし、勤勉な姿勢を見せた。課題のミート力を克服すれば、同じドミニカンのゴメスが来日1年目の14年に記録した26本塁打、109打点も、超えられない数字ではない。（倉世古　洋平）

《ヨハン・ミエセス》
　☆生まれ＆サイズ　1995年7月13日生まれ、ドミニカ共和国出身の27歳。1メートル85、120キロ。右投げ右打ち。

　☆メジャー経験なし　13年にドジャースとマイナー契約してプロ入り。カージナルス、レッドソックス傘下でもプレー。メジャー経験はない。22年は3Aで60試合、打率.271、12本塁打、35打点。

　☆日本の思い出　21年東京五輪でドミニカ共和国代表として来日。選手宿舎で食べた「ご飯がすごくおいしかった」と、白米、チャーハン、照り焼きチキン、生ものがネタではないすしがお気に入りに。

　☆家族　妻と1歳6カ月の長女。家族は、自身のいとこ2人とともに遅れて来日予定。

　☆趣味　釣り。米国では主に川釣りを満喫。タブレットでのドラマ観賞も癒やしのひととき。

　☆数字よりも勝利　打点と本塁打にこだわりを持つものの「勝てればそれでいい」。

《過去の阪神助っ人の愛称》
　【ヒロシ】バルディリス（08、09年）名前が長く、試合や練習で呼びにくいため、山脇コーチが日本風に命名。

　【パピー】ゴメス（14～16年）由来はスペイン語。「英語ならブラザー（兄弟）みたいな感じかな」。オマリーコーチ補佐らが呼び始めた。

　【スープ】キャンベル（17年）赤と白のデザインでおなじみ、米食品メーカーの主力商品「キャンベル・スープ」から。

　【パンダ】ロジャース（17年）1メートル85、117キロの巨漢。「だらっとした感じ。横たわったりした感じかな」

　【トロ】ロサリオ（18年）スペイン語で「闘牛」の意味。名付け親は米国野球殿堂入り選手のオーランド・セペダ。

　【セクシータイム】ソラーテ（19年）「結果を出すためには格好（見た目）もセクシーじゃないといけないからね」。踊って盛り上げる姿も。