石橋 三度目の正直で初切符 帽子のつばの裏に「苦」 横松主将「苦しんだからこそ、楽しむ」

[ 2023年1月28日 05:00 ]

センバツ出場36校決定

教材を手に笑顔を見せる「21世紀枠」で選出された石橋ナイン(撮影・会津 智海)
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 16、20年に続く21世紀枠の候補。栃木県内屈指の進学校・石橋が、三度目の正直で春夏通じて夢舞台への初切符を手にした。福田博之監督は目に涙を浮かべ「夢のよう。前回、前々回と野球部の先輩方が築いてくれたものが大きい。高校生は密。やることがいっぱいある中、野球に勉強にと一生懸命やっている」と喜んだ。

 平日は7時間授業で練習はわずか2時間。進学率100%と文武両道の一方、地元の小学生への野球教室や肩肘痛を防止するセミナーを実施するなど、地域貢献活動も評価された。昨秋の栃木県大会はノーシードからベスト4。ただ、道のりは平たんではなかった。

 大会直前に部員の多くが新型コロナウイルスに感染。ベンチ入り20人のうち10人を入れ替える緊急事態で、試合ができるかギリギリだった。それでも「逆境を乗り越えた。本当にたくましさを感じる」と指揮官。捕手は控えも含め2人がいなくなり未経験の中堅手がマスクをかぶった。昨年4月に右膝半月板を手術した横松誠也(ともや)主将(2年)もコロナに感染。復帰後は三塁ベースコーチとして声をからした。

 「昨夜はドキドキして眠れなかった。まだ実感がない」と横松主将。自身も小学生の時に石橋の野球教室に参加。先輩の姿に憧れて進学した。帽子のつばの裏には「苦」と書く。「苦しんだからこそ、楽しむ。持ち味は層の厚さ。全員野球で勝ってきた。楽しんでプレーしている姿を見てほしい」と言った。

 秋には東京六大学の早慶戦観戦が恒例行事。進学後のプレーを夢見る選手も多い。その前に憧れの甲子園で大きな夢をかなえる。(鈴木 勝巳)

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