なぜエンゼルスはイオバルディを獲得できなかったか 出身地、州税、使えるお金の限界

[ 2023年1月7日 09:06 ]

ネーサン・イオバルディ(AP)
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が6日(日本時間7日)、なぜエンゼルスがベテラン右腕のネーサン・イオバルディ(32)を獲得できなかったか論じている。

 一つの理由はイオバルディがテキサス州アルビン出身で、レンジャーズの本拠地アーリントンから車で5時間の距離であること。もう一つは州でかかる所得税の違い。カリフォルニア州が最高税率13・3%であるのに対し、テキサス州はゼロだった。もちろんエンゼルスがレンジャーズを上回るオファーをすれば獲得可能だったが、レンジャーズは2年総額3400万ドル(約45億円)に加え、付帯条項で最大3年総額6300万ドル(約83億円)になる契約。エンゼルスがこれを上回れなかったのは、使える金額にリミット(限界)があったからだと指摘する。

 このオフ、エンゼルスは素早く動き、左腕タイラー・アンダーソンを筆頭に5人の即戦力を加え、かかったサラリー総額は8315万ドル(約110億円)。しかしながらこのオフのFA市場では、アーロン・ジャッジから吉田正尚まで11人の選手が、1人で8315万ドルを上回る総額で契約していた。現時点でエンゼルスの23年のサラリー総額は2億2030万ドル(約291億円)。贅沢税の基準額まで1270万ドル(約16億8000万円)。球団史上最高額にはなるが、アート・モレノオーナーは球団売却中で、使えるお金に限界があった。

 エンゼルス関係者は大谷翔平、アンダーソン、イオバルディの3人が揃えば、敵にとって手ごわいローテーションになると期待していた。しかしながら、レンジャーズのオファーを上回り、イオバルディを翻意させることはなかった。

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2023年1月7日のニュース