イチローさん「終わりが見えてない感じが嫌」進学校指導で感じた違和感と、生徒にかけた魔法とは

[ 2023年1月8日 00:58 ]

富士高校の部員にノックするをイチローさん
Photo By 提供写真

 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさん(49)が、7日放送のTBSスポーツ番組「S☆1」に出演した。番組は昨年12月初旬に静岡・富士高をサプライズ訪問し、直接指導したイチローさんに密着。県内トップの進学校の野球部員に、どんな思いを持って接し、どんな感情が湧いたのかに迫った。

 野球の名門高と異なり、練習時間は限られる。そんな中でも富士高の部員たちは、地元で子供たちを相手に野球体験会を実施するなど、地域での野球普及活動に積極的だった。

 「地域への普及活動、野球のそれに凄く熱心で積極的と聞いて。昔なら普通にキャッチボールできていた。ほとんどの男の子は経験があるキャッチボールも、今はずいぶん特殊な動作になってしまった。そんな時代において地域の子供たちに、自分たちの野球ができる時間は限られてる中で、積極的にしてくれてるということを聞いて、あぁなんかいいなって思って」

 そんな思いを胸に、富士山の麓に足を運んだ。部員たちに交じって白球を追った。ともに汗を流す中で、時間で区切られた練習メニューが気になった。

 「いつもこんな長いの?めっちゃ長いなって思って、結構走るよね」「多いね、投げるのも走るのも考え方としてね」「集中力が切れてくる感じだよね、あと一発で終わりたいね」

 制限時間まで続く各メニューが気になり、「監督あと一発ずつでお願いします!」と切り出した。

 「あと一本で最後頑張ろうってなるよ。終わりが見えてない感じが嫌だもん途中」

 時間までやることで、満足してしまう。指導者が気づきにくい視点から、短時間で集中すべきと投げかけた。「最後の一本めっちゃいい集中してましたね。どこまで続くのかみんな不安で、全力でいけない感じが出てきてた。ここがもう限界だなって見えたら、あと一本でってやるのは、いいと思いました」

 さらに練習を通じて気になる点がもう一つあったという。

 「元気ないよね、なんだろう。元気がない。元気出していこうも元気がない」

 指導は2日間にわたった。元気がない。そう感じたイチローさんは呼びかけて、快晴の富士山を見上げてどこまで前向きさを前面に出す。「僕は持ってますから。それは認めます。普段こういう感じなんですよ。割と陽だから性格。でもいつも下向いて暗い人はそういうの来ないですよ」

 イチローさんの言葉が刺激となったのか。2日目の練習では、部員たちがこれまでとは違う姿で反応した。イチローさんが「僕の想像以上。こんな気持ちになってくれた。泣くわ」と漏らしたほどの変化とは。8日の深夜0時25分から放送のTBSスポーツ番組「S☆1」でのインタビュー第2弾では、その模様を伝える。

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月7日のニュース