阪神ドラ1・森下の野望 佐藤輝の「出世部屋」から「守備で勝負していく」 新人でGG賞目指す

[ 2023年1月7日 05:15 ]

プロで使用する新しいグローブを手に入寮する阪神ドラフト1位・森下翔太(球団提供)
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 阪神の新人7選手が6日、西宮市鳴尾浜にある選手寮「虎風荘」に入寮した。ドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)は、昨年まで佐藤輝が使用していた部屋への入室が決定。同様に1年目から活躍を見せ、正真正銘の出世部屋にする。黒と黄色の2色で作られた虎カラーのグラブを持参。セ・リーグで過去5人しか達成していない、新人選手によるゴールデングラブ賞の獲得を見据えた。

 これもまた、森下に対する期待の大きさの表れだろう。この日、新人選手の一人として虎風荘に入寮。ドラフト1位に割り当てられた自室は、昨年まで佐藤輝が使用していたものだった。

 「頑張りたいと思います。(佐藤輝のように1年目から)活躍できるような選手になりたいと思っているので目指していきたい」

 スラッガーの系譜を継げる喜びをかみしめた。佐藤輝は1年目から球団新人最多となる24本塁打をマーク。2年目の昨季も左打者ではプロ野球史上初となる、新人から2年連続20本塁打以上をかっ飛ばした。今オフ、退寮となり一時的に空き部屋となっていたが、森下が負けず劣らずの活躍を見せれば正真正銘の「出世部屋」となる。

 高校通算57本塁打、東都大学野球リーグ通算9本塁打の強打で注目を集めてきたが、外野守備への意識も高い。阪神入団に際し、黒色と黄色の2色をほどこしたグラブに新調。すでに心も体も虎一色と言って良い。

 「プロに入って最初のグラブ。やっぱり思い入れのあるグラブになると思いますし、タイガースカラーにして1年目から気合十分ということをグラブに表して持ち込んだ」

 ターゲットに定めたのは、ゴールデングラブ賞だ。72年にダイヤモンドグラブ賞として制定されて以降で、セ・リーグの新人で受賞したのはわずか5人。外野手に限れば、98年の高橋由伸(巨人)、2001年の赤星憲広(阪神)の2人しかない。だからこそ、強い気持ちを持ち合わせることが必要不可欠。言葉に力を込める。

 「守備で勝負していく自信はありますし、守備から打撃につなげるのは高校時代から変わらずにやっている。(ゴールデングラブ賞は)守備の最高峰でもあるタイトルなので、そこを目指したい」

 近く始まる新人合同自主トレへ向けても、準備に余念はない。「1軍でプレーできるようにこの合同自主トレからしっかり頑張っていきたい」と気を引き締めた。野球界に長く伝わる出世部屋。決して都市伝説ではないことを、プレーで証明してみせる。 (石崎 祥平)

 《セ新人外野手受賞は高橋由伸と赤星だけ》

 セの新人でゴールデングラブ賞を獲得したのは、88年立浪和義(中=遊撃)、90年古田敦也(ヤ=捕手)、98年高橋由伸(巨=外野)、99年上原浩治(巨=投手)、01年赤星憲広(神=外野)の5人。初受賞後に立浪は三塁と二塁で、他の4人は同一ポジションで再受賞している。

 《出世部屋アラカルト》

 ▼西武若獅子寮13号室 西武第2球場の敷地内にあり秋山幸二、清原和博、松井稼頭央、松坂大輔らが使用して出世部屋と呼ばれた。老朽化のため取り壊され、19年7月に完成した新若獅子寮13号室には、同年ドラフト1位の宮川が入寮。

 ▼日本ハム勇翔寮404号室 メジャーへ巣立ったダルビッシュ有や大谷翔平が使用。大谷が退寮後は、吉田が19年1月に入寮。

 ▼広島大野寮104号室 ツインズの前田健太やエースの大瀬良、ともに新人王に輝いた森下、栗林らが暮らした。

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2023年1月7日のニュース