侍の要に先行選出 甲斐、出るか世界一への“WBC新打法” 自主トレ恒例のこだわりに注目

[ 2023年1月7日 08:00 ]

昨年の自主トレで黙々とティー打撃に励むソフトバンク・甲斐拓也
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 ソフトバンク・甲斐の、今年の自主トレテーマが気になる。1月6日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンの一部メンバーが発表。鷹の女房役は12人中で唯一の捕手として真っ先に選ばれていた。

 21年夏の東京五輪では金メダル獲得に貢献した。実は、当初の五輪イヤーだった20年1月の合同自主トレではメダルの色と同じ“キン”に、これでもかとこだわってきていた。沖縄県国頭郡金武(きん)町で自主トレを公開。活動場所は「KIN STADIUM」。昼食には、タコライスの元祖店として有名な「キングタコス金武本店」の通称“キンタコ”を完食した。同町は、沖縄タコライス発祥地で総重量746キロの「世界一のタコライス」がギネス世界記録に認定。徹底して「世界一」にこだわりを示した結果、見事な金メダルだった。

 東京五輪翌年の22年1月。自主トレの活動場所は地元の大分県だった。新春から減量に成功。顔から、痩せていた。テーマは「糖類阻止」と「ライト」打ちだった。「寝る前のコーラを飲むのを控えましたし、甘いものも控えました」と胸を張っていた。仕事は盗塁阻止が仕事だが、オフには節制して炭酸飲料やスイーツなどの糖類摂取を控えた。さらに打撃でも意識を変えていた。21年は自身初めて全試合に出場も、リーグワーストの143三振が際立っていた。三振減のため、フリー打撃では徹底して引きつけての逆方向。ライト打ちを続けた。身体もライトに、打球もライトに。われわれに気づかせる雰囲気を醸し出してくれていた。

 そしてWBCイヤー。今年は再び、地元大分県で自主トレを行う。下旬の公開日には、何のこだわりを示してくれるか。昨季の22年は、打撃が振るわなかった。100試合以上の出場が始まった17年以降でワーストの打率・180。本塁打数もワーストの1本だった。栗山ジャパンの世界一、ソフトバンクの日本一のために、打撃復調が最大のテーマか。自慢の強肩ではない、キャノン砲絡みの新打法か何かと見ている。
(記者コラム・井上満夫)

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