落合博満氏「最高じゃなくて最低限のとこから」 就任1年目に57人起用の“オレ流哲学”語る

[ 2022年12月21日 17:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が21日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。中日監督就任1年目の04年の選手の起用法について言及し、“オレ流哲学”の一端を明かした。

 4月2日の開幕・広島戦(ナゴヤドーム)が落合監督にとって、公式戦初采配となった。周囲を驚かせたのが、開幕投手に川崎憲次郎投手を起用したことだった。痛み止めの飲み薬と座薬を併用して1274日ぶりの1軍マウンドに開幕投手として立った川崎は、1回1/3で5安打5失点でKOされた。それでもチームは0―5から打線が奮起して、広島・黒田博樹投手を攻略。8―6で勝利した。

 「川上憲伸が前の年(03年)、肩の不調(03年5月に右肩関節唇損傷で離脱)で途中から投げてなかったっていうことがあってね。まぁ普通であれば、(開幕投手は)川上憲伸なんだろうけども、あえて故障明けの年っていうのはどうかなと思ってね」と落合氏。痛み止めの飲み薬と座薬を併用して1274日ぶりの1軍マウンドに開幕投手として立った川崎は、1回1/3で5安打5失点でKOされた。それでもチームは0―5から打線が奮起して8―6で勝利した。川上は開幕3戦目、4月4日の広島戦で157球の熱投。延長11回を投げぬいて完投勝利を挙げた。

 川崎に開幕投手を伝えたのは「1月3日」と話した落合氏は「(キャンプイン前日の)1月31日に川上には“お前、(開幕の)先発ないよ”っていうのは伝えたけどね。あと岩瀬には“お前今年抑えだから”っていう。この2人には1月31日にちゃんと伝えましたよ」と語った。その年のキーになる選手について、責任と自覚をうながす意味でも、しっかりと方針を伝えていた。スタッフから「早い手を打たれてるんですね」と問われると「フフフフフ」と笑った。

 就任1年目から1、2軍分け隔てなくキャンプに入り、支配下登録70人中57人を1軍で使った。5月には井端、荒木の1、2番の並びを逆にした。荒木の長所を生かすための組み替えで打線は機能した。10月1日の胴上げの場面では、1、2軍選手70人が参加しての胴上げとなった。

 「打線に関しては結構、並び方っていうのは変動があったと思う」と振り返った落合氏は「やりくりするのは別に苦じゃないんでね。どうやってそこの打順にはめていくかっていうことだけ考えりゃいいだけであって、どの回りが一番良いのかなっていうような考え方」と説明。「シーズン入れば、70人枠ありゃ、70人の選手をどうやってうまく使っていくかってことだけを考えりゃいい」と付け加えた。

 さらに落合氏は選手起用する際に、その選手の最大値を期待することはなかった。「(野手なら)最低限これだけは打ってくれるだろうっていうのはあるよ。最高のところじゃなくて、最低限のとこからの出発。だから、少々成績が悪くたって、そのうち自分の持ってる力のところまではくるだろうっていうような選手の使い方」と話した。

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