巨人・大勢が地元中学生に語った「野球って怖い」 強心臓守護神の言葉の重み

[ 2022年12月21日 08:00 ]

ストラックアウトを披露する巨人・大勢
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 堂々としたマウンドさばきを見せつけられ続けてきたからこそ、気になった言葉だった。巨人・大勢が地元・兵庫県多可町でのイベントで口にした「野球って怖い」。硬式野球チームに所属する中学生へのアドバイスを求められ「高校に入ってから野球が怖くなる。勝ちにこだわるので、しんどいこともあると思う。でも応援してくれる人もいるので、そういう人たちを喜ばせようという気持ちでいたらいい」と言った。

 自身の投球がチームの勝敗に直結する抑え。それだけではなく、生活が懸かっているプロ野球選手にとって貴重な「1勝」も背負っているポジションだ。のしかかるプレッシャーは計り知れない。だが、右腕はそこで輝きを放ち、新人最多タイとなる37セーブを挙げ新人王にも輝いた。「打てるものなら打ってみろ」と言わんばかりの姿に勝手に「怖いもの知らず」だと思っていた。

 「小中学校は楽しくやっていたんですけど、勝ちにこだわってやりだしてからは野球が楽しいと思ったことはあんまりない。そこのギャップには全員ぶちあたると思う。だから、そういう状況のアドバイスじゃないですけど、自分なりの考えを言わせていただきました」とアドバイスの理由を明かした。不安を少しでも少なくするために、日々トレーニングを続ける。小学生からの「良い球を投げるには?」の質問には「普段からいっぱい練習をして、自信を持ってマウンドに上がること」と答えた。

 「毎日怖いですね」

 ギャップを感じるからこそ重みのある言葉だった。球団新人最多セーブなど、さまざまな記録をつくってきても、浮かれた様子がなかったことも納得した。「そういうプレッシャーとかも感じながら、いい感じ方をしながら、本当にいい経験させてもらっている」。強心臓は「天然」というよりも「強い信念」から来ているものだと感じた。(記者コラム・小野寺 大)

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