日本ハム・中島が「カット打法」を取り戻す 妻の“伝言”きっかけに今季終盤に復調手応え

[ 2022年12月21日 06:00 ]

ポーズを決める中島(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの中島卓也内野手(31)が本紙の単独インタビューに応じ、自慢の「カット打法」復活への手応えを語った。近年は持ち味の打席での「粘り」が影を潜め、3年契約を結んだ20年から今季までの3年間は打率・172と低迷。しかし、今季出場した最終18試合では打率・350をマークした。復調の背景にあった妻の機転を利かせた一言、プロ14年目で外野挑戦した思いなどを聞いた。(聞き手・清藤 駿太)

 ――まずは3年契約最終年を振り返って。
 「この3年間は思うような結果が出せず、ふがいないシーズンだった。数字として良くないシーズンだったのは自分が一番分かっている」

 ――中島選手といえば追い込まれてからの「粘り」が持ち味。近年、影を潜めている要因をどう分析する。
 「最近はトップのつくり方が良くなくて、バットが出てこなかった。自分の中で昔から続けてきたフォームだし、良いのかな?と思っていたけど、結局はそれが原因だった」

 ――具体的には。
 「簡単に言うと2度引き。トップをつくってから、打ちにいく時にもう一度バットが上がる。(無駄な動作が増えて)ボールとの距離が取れない。だから差し込まれるし、逆に前で打とうとしてポイントがずれていた」

 ――気付いたのは。
 「後半戦かな。テレビの解説で(森本)稀哲さんが僕の2度引きについて言ってくれて、それをたまたま奥さんが見ていて。“稀哲さん、こんなこと言っていたよ”と。やっぱり、原因はそこだったんだなと思った」

 ――奥さんが教えてくれたというのが良い。
 「稀哲さんに言ったら“ナイスだね、奥さん”って(笑い)。僕らはあまり解説は聞かないから。テレビでは稀哲さんも“コーチではないから、本人にはあまり言えない”と言っていたみたいで」

 ――今季は残り18試合で打率・350。2度引きを修正して復調した。
 「やっぱり、直球に対しての打率が悪かった。克服するにはボールとの距離を取って一発でトップをつくり、一発でバットを出すこと。近ちゃん(近藤)も(松本)剛もそうだけど、良い打者は早めにトップをつくって“いつでも打てますよ”という形をつくっている」

 ――シーズン終盤には外野に挑戦。抵抗は。
 「最初は本当にやるとは思っていなかったけど、外野をやって自分の野球勘が広がることはいいかなと。試合にも使ってもらえるし、打撃も良くなるし」

 ――打撃との関係性は。
 「考えごとが少なくなる。外野も考えるけど、内野と比べたら少ないし、打撃のことを考えられる」

 ――近藤のソフトバンク移籍で、日本一になった16年の開幕スタメンでチームに残るのは中島のみになった。
 「友達がみんないなくなった。まあ、寂しくはなったけど(苦笑い)。16年もやっぱり最後の1カ月間は本当にプレッシャーがかかったし、そういうのを経験してうまくなる。今、若い子が多いけど、緊張感の中でプレーさせることを経験させてあげたい」

 ――ベテランとして引っ張る役割を求められる来季は「粘り」復活?
 「追い込まれたら粘る、というのはやりたいと思っている。そのためには普通に打てないと。しっかり打ち返す、というのは意識していきたい」

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