阪神・湯浅に進化の余地感じた“今季最終登板”「何もかもがうまくいかない日だなと」

[ 2022年11月13日 11:31 ]

阪神・湯浅
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 日の丸を背負っても、いつもと変わらぬ柔和な表情と丁寧な取材対応だった。侍ジャパンでの強化試合を終えた湯浅が12日、鳴尾浜球場での秋季練習に合流。習得を目指すカットボールに関して他球団のエースやクローザーから情報を収集するなど、得たものは多かったようだ。練習後の囲み取材では侍で過ごした日々の振り返りが続く中、印象に残ったのが“今年最悪”と評した2日前の登板だった。

 今季、セットアッパーとして59試合に登板し、レギュラーシーズンは28試合連続無失点でフィニッシュ。シーズンの半分以上を“無双”で終えた右腕だったが今季最終登板で試練が待っていた。10日のオーストラリア戦の8回に登板も対戦した5打者に初球ボールと制球面で苦戦。無失点で終えたものの、国際球や硬い札幌ドームのマウンドへの対応に苦慮したといい「キャッチボールで良い感じでいけるかなと思って試合いったら、感覚的に違ったりする。それも1球、1球違ったりする。マウンドもめちゃくちゃ硬かった」と振り返った。

 国際の雰囲気を問われても「感覚的に“クソ”だったんで。そんな余裕なかったです。まじでやばいなと思って投げてました。普段と見え方とかも違って。何もかもがうまくいかない日だなと思って投げてました」と苦投のほどがうかがえた。それでも、ただ悪かったで終わらないのが伸び盛りの23歳の強さと向上心。今季ワーストと言っていい経験もプラスに捉えた。「そういう日もあるだろうと。来年につながると思うので。そういう時にどう抑えるか、来年につながる良い経験ができたかなと。(これだけ悪かったのは)今年初めての感覚だったので最後でもっと感覚良く投げたかったですけど、良い経験はできたんじゃないかと」。

 まだまだ進化の余地を感じた約10分の取材。囲みが解けると記者に「そういえば、あの店いきましたよ」と大好きなスイーツの話を振ってくる“緩急”もしっかり効いていた。(記者コラム・遠藤 礼) 

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2022年11月13日のニュース